江戸時代から明治時代に日本の物流は日本海側を航海し、蝦夷地(北海道)と北陸・大坂(大阪)を結ぶ北前船が担っていました。その北前船で青森県や北海道の日本海側には、祇園祭も運ばれ、根付いています。北海道・北東北の夏に祇園祭のような山車(やま=山鉾)が巡行します。
のへじ祗園まつり|青森県野辺地町
開催日:8月下旬の4日間
開催場所:青森県上北郡野辺地町
背景:野辺地は、南部藩(盛岡藩)随一の湊町で、藩内で産する大豆、尾去沢の銅、イワシの〆粕などを北前船(西廻り航路)で日本海を経て、北陸、蝦夷地、そして大坂(現・大阪)などへと運ばれました
内容:4日間にわたって行なわれ、初日の大注連縄(おおしめなわ)を八幡宮に奉納する「しめあげ」で幕を開け、2日目と4日目には、山車の合同運行がおこなわれます
3日目には海で栄えた野辺地を象徴する船の大パレード「海上渡御」も
田名部まつり(田名部神社例大祭)|青森県むつ市
開催日:毎年8月18日~8月20日
開催場所:青森県むつ市田名部
背景:陸奥湾(大湊湾)に停泊した北前船からの荷の積み卸しが田名部川の川湊で行なわれたことから、北前船で京の天王祭(祇園)が運ばれたもの
内容:祇園囃子のなか、きらびやかに飾り付けられた5町(横迎町、小川町、柳町、本町・田名部町、新町)5台の山車(やま)が市内を練り歩く
姥神大神宮渡御祭|北海道江差町
開催日:毎年8月9日~8月11日
開催場所:北海道檜山郡江差町
背景:文安4年(1447年)に創建と伝わる北海道最古の神社が江差町の姥神大神宮の祭礼で、13台の豪華な山車や御輿(みこし)が町を練り歩くのは京の祇園祭が北前船で伝えられたため
その年のニシンの豊漁に感謝を込めて行なわれた祭礼で、江差のニシン漁景気を今に伝えるもの
「姥神大神宮渡御祭と江差追分」として北海道遺産にも登録
内容:宝暦年間(1751年~1764年)に造られた『神功山』(人形は神功皇后/愛宕町)など「ヤマ」と呼ばれる御輿に供奉する曳き山13台が巡行
北前船で運ばれた! 北海道・北東北の三大祇園祭 | |
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