毎年4月第1日曜、宮城県栗原市の白山神社で『小迫の延年』(おばさまのえんねん)が行なわれます。春の農耕期を前に豊作を祈願する春まつり。平安時代から室町時代にかけ僧や稚児が寺院で行なった遊演舞台のひとつで、国の重要無形民俗文化財に指定。もともとは、白山神社の別当寺だった勝大寺の坊の人たちが余興で行なったもの。
獅子舞、御山開きなどの芸能が奉納される
7つの演目のひとつ、『御山開き』(おやまびらき)で読み上げられる祭文(さいもん)の文中に、大同2年(807年)というものがあるので、平安時代の初めにはすでに行なわれていたと推測できます(ただし演目などは後世の作)。
往時には旧暦3月3日に行なわれていましたが、現在では4月第1日曜に決められています。
祭り前日、白山神社の神輿が金成町内を渡御し、300mほど離れた勝大寺を御旅所にして1泊。
神輿が行列を作って白山神社に帰るお山詰(やまづめ)から祭りが始まります。
白山神社境内での芸能の奉納で演じられるのは獅子舞(ちゃれこ舞)、御山開き、御法楽、入振舞(いりふりまい)、飛作舞(ひさまい)、田楽舞(でんがくまい)、馬乗渡し(ばじょうわたし)です。
馬乗渡しは、源平の屋島の戦いで那須与一(なすのよいち)が扇の的を射落としたという故事を演じるもの。
古来、馬乗渡しの扇の的を手に入れた集落は豊作であるといわれ、必死に的の奪いあいが行なわれてきたため、喧嘩祭とも呼ばれています。
白山神社は毛越寺(平泉)と深いかかわりを持つ、中世の「一山寺院」勝大寺の鎮守社。
三迫総鎮守の社として崇拝されています。
白山神社は多賀城が設置された724(神亀元)年創建と伝わる古社。
坂上田村麻呂も社前に陣を構え戦勝を祈願したといわれています。
『小迫の延年』も源頼朝の藤原泰衡討伐の際に戦勝を祈願し、報賽の祭事として「那須与一の扇の的射」を奉納したことが創始とも。
白山神社『小迫の延年』|栗原市 | |
開催日 | 毎年4月第1日曜 |
所在地 | 宮城県栗原市金成小迫山神77 |
場所 | 白山神社 |
関連HP | 栗原市公式ホームページ |
電車・バスで | JRくりこま高原駅からタクシーで17分 |
ドライブで | 東北自動車道若柳金成ICから約3.6km |
駐車場 | 200台/無料 |
問い合わせ | 若柳金成商工会金成支所 TEL:0228-42-1473 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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