荒崎(カサカンジャー)

荒崎(カサカンジャー)

沖縄県糸満市束里、一般に喜屋武岬(きやんみさき)が沖縄本島最南端といわれていますが、それは「車で到達できる」という意味での最南端。実際の緯度では、喜屋武岬東1kmにある荒崎の方が13秒(約400m)ほど南に位置しています。荒崎海岸西側部分には、カサカンジャーと呼ばれる伝説の岩塊があります。

本当の沖縄本島最南端はここ!

荒崎(カサカンジャー)
カサカンジャー

沖縄本島最南端を目ざす場合には荒崎海岸西部、岬突端近くの樹林帯(ギンネムやアダンの防風林)まではダートながら車道も通じていますが、車高のあるオフロード車のみ進入可能なダート。

伝説の岩塊、カサカンジャーとは笠かぶりという意味。
琉球王国の正史として編纂された歴史書『球陽』に1832年9月10日(旧暦)の台風襲来時に海岸に3つの岩塊が打ち上げられたと記されており、この岩のひとつがカサカンジャーという推測もできます。
この岩が太平洋と東シナ海の境になっています。

ドルメン(人工的に積まれた石造物)なのか、自然にできたのか(石灰岩不整合の上部が波に剥がされたもの)、歴史書にあるように津波によって打ち上げられた石なのかは明らかでありません。
『球陽』には台風で打ち上げられた岩塊の大きさと海岸からの距離が詳細に1個ずつ記載され、そのうちのひとつがカサカンジャーに近いので、台風による打ち上げ説が有力です。
最新の研究では、カサカンジャー35m西にある琉球石灰岩の海食崖に発達したノッチ(notch/波の侵食で生まれた凹み=波食窪)の上半部が剥離し、移動したものと推測されています。
ただし、移動した時代は、『球陽』に記される1832年9月10日ではなく、4700年前~ 3700年前の津波、あるいは台風だと判明しています。

一帯の海岸線には石灰岩が強い波によって削られる作用と生物の付着保護作用によってできたサーフベンチと呼ばれる平坦面もあり、「喜屋武海岸及び荒崎海岸」として九州・沖縄初の国の登録記念物に選定。

荒崎(カサカンジャー)
名称 荒崎(カサカンジャー)/あらさき(かさかんじゃー)
所在地 沖縄県糸満市束里
ドライブで 那覇空港から約16km
駐車場 3台/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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