サイトアイコン ニッポン旅マガジン

楢本磨崖仏

楢本磨崖仏

大分県宇佐市、国道500号からほど近い、宇佐市安心院町楢本(あじむまちならもと)地区にある磨崖仏が、楢本磨崖仏(ならもとまがいぶつ)。高さ4.5m、横幅40mの2段になった岩に、不動明王や薬師如来など、40数体にも及ぶ像が刻まれていますが、これは密教の曼荼羅(まんだら)を描いたものとも。

40体もの仏像が彫られた室町時代の磨崖仏

左側(上下2段)の上段には不動明王を中心に、右にその眷属(けんぞく)の衿羯良童子(こんがらどうじ)、左に制吨迦童子(せいたかどうじ)の不動三尊、薬師如来を中心にして、右に脇侍の日光菩薩、左に月光菩薩の薬師三尊、さらに釈迦如来を中心に、右に普賢菩薩(ふげんぼさつ)、左に文殊菩薩(もんじゅぼさつ)の釈迦三尊、寺門を守る守護神の那羅延金剛(ならえんこんごう=仁王)、多聞天(たもんてん=仏法を守護する四天王のうち、北方を守護)、比丘(びく=出家し具足戒を守る男性の修行者)が配され、下段に釈迦如来を信仰するものを守護する十二神将が、あたかも曼荼羅のように並んでいます。
左半分が当初に彫られたもので、4段になった右半分は後年の作。

残念ながら、風化が進んでいるので、なかなか判然としません。

曼荼羅を形成するのは、国東半島一帯が密教で栄えたから。
仏様の世界や悟りの境地、奥深さをデザイン化してわかりやすく伝えようとするのが曼荼羅だとすれば、訪れる人に「宇宙の真理」を伝えようとしているのだと推測できます。

不動明王の右上には、応永35年(1428年)の銘が残されており、かまぼこ型で半肉彫りという室町時代の特徴を色濃く伝えています。
大分県の史跡。

車で5分〜10分ほどの場所に、知る人ぞ知るミステリアスなスポットとして注目を集める桂昌寺跡・地獄極楽、耶馬渓随一の大岩柱の仙の岩、日本の滝百選に選定の名瀑・東椎屋の滝(日光の華厳滝に似ていることから「九州華厳」とも)があるので、時間が許せばあわせて探勝を。

楢本磨崖仏
名称 楢本磨崖仏/ならもとまがいぶつ
所在地 大分県宇佐市安心院町楢本
関連HP 宇佐市公式ホームページ
ドライブで 宇佐別府道路安心院ICから約6.5km
駐車場 なし
問い合わせ 宇佐市観光協会安心院部会 TEL:0978-34-4839
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

桂昌寺跡・地獄極楽

大分県宇佐市安心院(あじむ)町東恵良(ひがしえら)を走る国道500号からほど近い場所にある石窟に刻まれた地獄極楽絵図が、桂昌寺跡・地獄極楽。室町時代中期に開かれた桂昌寺が荒廃した後、文政3年(1820年)、天台宗の僧侶・午道法印(ごどうほう

東椎屋の滝

宇佐市安心院町(あじむまち)にあり、落差85mの巨瀑で、「九州華厳」の別名をもつ、東椎屋の滝(ひがししいやのたき)。西椎屋の滝、福貴野の滝とともに「宇佐の三滝」と呼ばれ、「日本の滝百選」にも選定。駐車場から滝までは300m、徒歩10分。周囲

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

モバイルバージョンを終了