教会の多い県 3位は兵庫県、2位東京都、1位は? 教会数TOP10

教会の多い県

文化庁が編纂する『宗教年鑑』(令和5年版)によると、47都道府県で最も教会の数が多いのはキリスト教のイメージが強い長崎県でありません。3位は開港の地・神戸のある兵庫県、2位は東京都、そして1位はなんと大阪府です。共通する点は、居留地が始まりだったことで、キリスト教系の学校も創立されています。

大阪・川口居留地を起点にキリスト教が大阪に浸透

大阪は、明治元年、大阪開港と同時に、外国人居留地として2.6haという広さを有する川口居留地(かわぐちきょりゅうち)が設けられています。
現在の大阪市西区川口1丁目、本田梅本町界隈で、開港と同時に諸外国に競売され、モダンな街路樹が植栽、石油ランプの街灯、舗装道路に沿ってバンガロー風の洋館が建ち並んでいました。

そんな治外法権の街・川口居留地には、明治7年、梅本町公会が誕生、日本で最も歴史と伝統のあるプロテスタント教会のひとつで、大正11年、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)設計というレンガ造りの聖堂が「日本基督教団大阪教会」(国の登録有形文化財)として現存しています。

明治32年条約改正で、川口居留地は廃止され、国際貿易港としての地位も神戸に移ったため、貿易商などは神戸に移り住んでいますが、キリスト教関係者は大阪に住み続け、病院・学校(とくに女子教育)の経営に力が注がれています。

大阪府は実は寺院も愛知県に次いで2位なので、商都といわれる大阪は、実は古くから一大宗教都市だったことがわかります(大阪の街は、石山本願寺の寺内町から発展)。

仏教の一大宗教都市だった大阪は、開港と同時にキリスト教を受け入れ、教会数もTOPになるほど浸透したことがわかります。
宗教に寛容な土地柄だったということになるのかもれません。
また、東京に負けないという大阪の近代化にキリスト教の有する「西洋の文化」が必要だったという側面もあり(「キリスト教」は、Christianityの訳で、明治時代に生まれた言葉です)、とくに近代教育の一環として、キリスト教系学校が大きな役割を担っていました。

桃山学院は明治17年、イギリス人宣教師たちによって川口居留地に設立されています。
大阪女学院も明治17年、A.D.ヘール宣教師が川口居留地に開いたウヰルミナ女学校(維耳美那女学校)が前身で、明治18年には大阪一致女学校も開校するなど、キリスト教会は女子教育に尽力しています。

ちなみにキリスト教徒の数、そして1教会あたりの信徒の数も、東京都、兵庫県、大阪府がTOP3です(全国平均ではキリスト教徒は1%未満です)。

教会の多い県は? 教会数TOP10

都道府県教会数有名な教会
1位大阪府2271大阪ハリストス正教会、大阪教会、浪花教会、河内長野教会
2位東京都2114ニコライ堂、碑文谷教会、安藤記念教会、山手ハリストス正教会
3位兵庫県1872神戸聖ミカエル教会、神戸栄光教会、神戸ハリストス正教会、芦屋教会
4位愛知県1426名古屋中央教会、愛知教会、豊橋ハリストス正教会、岡崎教会
5位北海道1414函館ハリストス正教会、トラピスト修道院、元町教会、函館教会
6位福岡県1225博多教会、久留米伝道教会、富野バプテスト教会、小倉東篠崎教会
7位神奈川県1046山手教会、戸塚ルーテル教会、小田原教会、鎌倉聖ミカエル教会
8位京都府924日本聖公会聖アグネス教会、京都ハリストス正教会、福知山教会
9位埼玉県899武蔵豊岡教会、和戸教会、川越キリスト教会、大宮教会、聖パウロ教会
10位静岡県816静岡教会、沼津聖ヨハネ教会、静岡カトリック教会、三島教会
教会の多い県 3位は兵庫県、2位東京都、1位は? 教会数TOP10
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