乗り納めです! 日本一短い定期航空路線(飛行距離13km)、2024年7月に廃止!

日本一短い定期航空路線

日本一短い航空路線として知られる琉球エアーコミューター(RAC)の南大東~北大東線(飛行距離13km)ですが、2024年7月末に廃止が決定しています。乗ったらすぐ着陸準備に入ってしまう路線として一度は乗りたいという人も多い路線ですが、利用者数が伸びなかったこともあって、廃止となります。

フライト時間7分〜8分、8マイル獲得の路線が廃止に!

日本一短い定期航空路線
就航するDHC-8-400CC(カーゴコンビ)

現在の運用は、那覇~北大東~南大東、那覇~南大東~北大東で、JALグループ国内線平均値を上回る8割近い搭乗率を誇っていますが、北大東~南大東、南大東~北大東のみに限れば、利用者が少なく、今回の廃止につながったものとのこと。
ただし、大東村関係者は、「基本的には需要が多く、席が取れないときがある」とのことですが、問題は「三角運航」にあったようで・・・。

琉球エアーコミューター(RAC)の南大東~北大東線は、日本の航空路線としては珍しい「三角運航」の路線で、月・金・土・日曜は那覇→北大東→南大東→那覇に、火・水・木曜は那覇→南大東→北大東→那覇という就航パターン。

「三角運航」を廃止することで、南北の大東島と那覇空港はそれぞれ直行便で結ばれ、南大東島は1日1.5往復から2往復に、北大東島は0.5往復から1往復に増便となる予定で、沖縄本島への移動はより便利になるので、RACは、「島と那覇のパイプが太くなる」と強調しています。

平成9年10月に就航した南大東~北大東線ですが、飛行時間は20分という記載があるものの、実際には離着陸間のフライトは7分〜8分ほどで(タイヤが格納時間は4分)、滑走路に待機している時間の方が長いというユニークな離島間路線。
つまり、墜落事故の起こりやすい離陸時の3分と着陸前の8分、合計11分の「critical eleven minutes」(クリティカル・イレブンミニッツ=魔の11分)にも満たないフライトということに。

ただし、これは晴天時の有視界飛行の場合で、荒天で計器飛行となると、63kmという大回りコースのフライトとなるのです。

機材はDHC-8-400CC型機ですが、通常の定員(標準仕様は74席)を24席分削って定員50名に。
削った分は貨物スペースにして、生鮮食料品などを空輸しているのです(CC=カーゴコンビの略で貨客混在を意味しています)。

それでもRACはJALグループなので、マイルの積算対象。
取得マイル数は、TPM(運賃計算に使用する区間距離)で8マイルで、東京〜石垣の1224マイルに比べるとなんと153分の1ということに!

この南大東~北大東線の廃止で、8月以降、両島間の航空機での移動は700km以上も遠回りの沖縄本島経由になり、実質的には大東海運の貨客船(所要1時間)のみとなりますが、週1便と運航日が限られるので、不便になることに(乗船、下船は珍しいゴンドラをクレーンで吊るす「クレーン乗降」で、荷物のように運ばれます)。

南大東~北大東線廃止により、新たな日本一になるのは、日本エアコミューター(JAC)の奄美〜喜界線の20km、TPM16マイルで、喜界島へのフライトがより注目を集めることでしょう。

乗り納めです! 日本一短い定期航空路線(飛行距離13km)、2024年7月に廃止!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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