訪日外国人観光客にも近年注目される鳥取砂丘ですが、日本最大の砂丘は鳥取砂丘ではありません。鳥取砂丘(鳥取県・日本海)、南遠大砂丘(静岡県・遠州灘)、吹上浜(鹿児島県・東シナ海)が日本三大砂丘ですが、さらに幅が広い、そして距離の長い砂丘地帯が日本にあります。
砂丘にとって重要なのは距離ではなく幅
日本最大の砂丘が鳥取砂丘かといえば、実は、猿ヶ森砂丘(青森県東通村)、南遠大砂丘(静岡県)と巨大砂丘は他にもあります。
全長17kmという、猿ヶ森砂丘は、ほぼ全域が防衛装備庁の下北試験場(弾道試験場)の敷地で、残念ながら立ち入りは不可。
日本三大砂丘のひとつ、南遠大砂丘(南遠=なんえん、遠州の南部の意)は、浜岡町の浜岡砂丘と大東町の千浜砂丘など、御前崎あたりから西へ遠州灘沿いの約30㎞におよぶ砂浜地帯。さらに浜松の中田島砂丘辺りまでをエリアに加えて遠州大砂丘という呼び方もあり、これなら延長50km、愛知県境まで含めると70kmの大砂丘地帯となります。
あまり知られていませんが、もっと「長大な」砂丘地帯が日本にはあります。
それが新潟市周辺の海岸部に広がる新潟砂丘。
「広大さ」は延長ではなく、むしろ幅。
猿ヶ森砂丘の幅は約1〜2km、南遠大砂丘(遠州大砂丘)も1km弱ですから、鳥取砂丘の2.4kmというのは駐車場から海岸線までの距離が長く、「砂丘を実感する」には最適な地といえるのです。
角田山麓から村上市瀬波まで70kmに及ぶ大砂丘地帯で、砂丘列も多いところでは10列にもなり、幅は最大で10km、この新潟大砂丘が広大さでは日本一ということになります。
ただし、新潟砂丘と呼ばれているこの海岸線の砂丘列ですが、厳密にいえば砂丘ではありません。
新潟砂丘は、風成層(ふうせいそう=風の作用によって砂などが運ばれたもの)からなる砂丘ではなく、海岸沿いに分布する砂層の地形的高まりの総称。
砂丘は、風に吹き飛ばされた砂塵が風速の弱まった際に堆積したものという定義があるので、新潟砂丘は「砂丘ではない」ことになるのです。
ただし、国土地理院は、新潟砂丘を「最大10列を超える典型的横列砂丘」としているので、広い意味では砂丘と定義できるということに。
新潟砂丘には、国土地理院が砂丘間湖(砂丘間の凹地に生じた湖沼)と認定する佐潟・御手洗潟もあります。
日本一広大な新潟砂丘ですが砂丘のイメージがないのは、市街地化や植林、農地への転用などが進んでいるため。
風で運ばれる砂とは違い、砂の堆積を目の当たりにできる場所が少ないのです。
新潟砂丘を砂丘から除外すると、御前崎から浜松、愛知県境にかけての遠州大砂丘が日本一長大で、全長は50km〜70kmにも及びます。
幅を重視すると、下北試験場(弾道試験場)の敷地になっている猿ヶ森砂丘(青森県東通村)が南北17km、東西最大2kmで日本一といえるでしょう。
猿ヶ森砂丘は、北側にあたる東通村・尻労地区の高台から砂丘の全体を見渡すことができます(立ち入ることはできません)。
鳥取砂丘よりも巨大! 日本一の大砂丘はどこ!? | |
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