意外に知らない、山陰本線はどこから、どこまで!?

関東の人に不正解が多く、関西の人に正解が多いのが山陰本線。関東でその起点、終点を即答できるのは、鉄道ツウといえるでしょう。意外に知らないのが起点駅。しかし終点駅はもっと難関で、下関駅だと思いがちですが、実はそれは運用上の終点で、線としては下関駅は山陽本線になります。

起点駅は正解しても終点が分かる人が少ない

起点駅はズバリ、京都駅です。
京都駅〜園部駅は嵯峨野線と称され(大都市近郊区間のうち、大阪近郊区間に該当)、山陰本線のイメージが薄れていますが、かつては京都駅から西へ向かう列車が数多く出発していました。

嵯峨野観光鉄道の運行する「嵯峨野トロッコ列車」は、保津峡を走る山陰本線の複線電化の際、保津川沿いの旧線を活用してトロッコ列車を走らせたもので、このトロッコが走る絶景路線が、かつての山陰本線です。

終点は、下関駅ではなく、幡生駅(はたぶえき)。
幡生駅の少し手前(北側)で瀬戸内海沿いを走ってきた山陽本線と合流し、幡生駅〜下関駅は山陽本線となります。
同じ山口県下関市内ですが、幡生駅が山陰本線の終点で、京都駅〜幡生駅が正解。

東海道本線、中央本線、山陽本線、山陰本線の中でも起終点を当てる最難関の路線といえるでしょう。
この山陰本線、支線を除く営業キロは673.8kmで、在来線としては日本最長。
しかも全線がJR西日本の管轄です。

かつては東北本線が最長路線でしたが、東北新幹線の開業で3セク化(IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道)した部分があり、山陰本線が最長に。
しかもトンネルの数も日本で2位。
大小176本(総延長60.3km)のトンネルがあり、紀勢本線(180本)に次ぐ数となっています。

電化区間は、京都駅〜城崎温泉駅、伯耆大山駅〜西出雲駅で、その他の区間は非電化です。

ユニークなのは、山陽本線には九州と関西・東京を結んで特急「富士」、特急「はやぶさ」など名だたる特急が通しで走っていましたが、山陰本線には通しで走る優等列車はありませんでした。

これは中国山地を越えて南北に結ばれる伯備線(岡山駅〜出雲市駅/特急「やくも」)などがあるためで、物流や旅客輸送は、福知山線や伯備線などの陰陽連絡路線が担ってきたためです。

現在、山陰本線内のみを走行する特急列車は、特急「きのさき」(京都駅〜城崎温泉駅)、特急「スーパーまつかぜ」(鳥取駅〜米子駅〜益田駅)のみなので、その意味では一度は乗ってみたい貴重な特急ということに。

特急「スーパーまつかぜ」
特急「スーパーまつかぜ」
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