滋賀県東近江市にある太郎坊・阿賀神社は、標高350m、巨岩が露出した赤神山の中腹にあり、「太郎坊宮」の名で親しまれている古社。聖徳太子が箕作山の瓦屋寺(かわらやじ)を建立した際に、阿賀神社に国家安泰を祈願したと伝えられています。最澄も参籠し天台宗の成願寺を創建しています。
中世には修験道の霊山「太郎坊宮」として繁栄
太郎坊というのは赤神山に住んでいた天狗の名前で、最澄に一宇を建立するように告げ、その後、寺と神社を守護しています。
明治初年の神仏分離、廃仏毀釈まで神仏習合、修験道の霊山として栄え、竹中坊、上坊、松本坊、行満坊、石垣坊、大泉坊などの社殿・僧坊が50も建ち並び、太郎坊宮と総称していました。
八日市(旧・八日市市)という名も薬師如来の縁日でる8日に市が開かれたことに由来。
永禄11年(1568年)、足利義昭を擁して上洛を目指す織田信長に対して、それを迎え撃つ六角義賢との合戦に巻き込まれて炎上、荒廃しています。
後に阿賀神社は再建、現在に至っています。
祭神は天照大神の第一皇子神、正哉吾勝勝速日天忍穂耳命(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)でとくに勝運の神様として有名。
勝運、厄除け、開運、商売繁盛にご利益があると、初詣など多くの参拝者でにぎわいをみせています。
740段の石段を上ると本殿が
参道から740段の石段を上ると本殿。
本殿の周囲には古代の巨石信仰を今に伝える磐座(いわくら)と呼ばれる巨岩、怪石が散在。
本殿前の夫婦岩は、20mに迫る大岩の間にある幅80cmの間道を通り抜けます。
神の神通力により開かれたという言い伝えがあり、「嘘つきな人や悪しき人が通ると挟まれる」と伝わるほか、縁結びのご利益もあるとか。
地質的には、湖東流紋岩という火山岩が、節理によって割れたもの。
「神験即現(しんげんそくげん、神様のご利益がすぐに現れる)」の大神と讃えられ、スポーツ選手などに人気のスポーツ勝御守も授与してくれます。
本殿前の展望台からは、額田王と大海人皇子(後の天武天皇)が、激しい恋の相聞歌を詠んだ万葉集を代表するロマンの地・蒲生野(がもうの)を眼下に、御在所岳など鈴鹿山脈の山並みを遠望。
春には太郎坊宮参道の桜が見事に咲き誇ります。
太郎坊・阿賀神社(太郎坊宮) | |
名称 | 太郎坊・阿賀神社(太郎坊宮)/たろうぼうぐう・あがじんじゃ(たろうぼうぐう) |
所在地 | 滋賀県東近江市小脇町2247 |
関連HP | 太郎坊・阿賀神社公式ホームページ |
電車・バスで | 近江鉄道太郎坊宮前駅から徒歩20分。または、近江鉄道八日市駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 名神高速道路八日市ICから約6.5km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 太郎坊・阿賀神社 TEL:0748-23-1341 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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