新幹線最大の山登り区間は、高崎駅(標高93m)〜安中榛名駅(標高288m)〜軽井沢駅(標高940.5m)の区間で、安中榛名駅を通過する列車なら、所要は15分。その間に550m近く標高を稼いでいることになり、まさに1分間に37mの山登りという驚異的なクライマー(「登山車」)となっています。
1位 北陸新幹線|標高950m

全国の新幹線のなかで「最高所の新幹線駅」となるのが、北陸新幹線の軽井沢駅で標高940.5m。
最高所となるのは、上信国境(群馬・長野県境)の直下あたりですが、公式の標高に関するデータがないので、碓氷峠トンネルの軽井沢側出口が、947.5m(並走する国道横の水準点)、トンネルは最後に少し下るので、950mほどだと推測できます。
高崎駅は標高93m、安中榛名駅でも288mしかないので、ひと駅で660mという標高差を克服することになり、まさに「新幹線で山登り」の区間です。
かつての信越本線は、最大66.7‰(パーミル)、つまり1000mの水平距離に対し、66.7m標高を稼ぐという急登だったため、アプト式、そしてアプト式廃止後は補助機関車で後ろからもプッシュして山登りにチャレンジしていました。
北陸新幹線は、最大30‰の急登でこの区間を克服していますが、首都圏の通勤電車の最大勾配が25‰であることを考えると、200km/hという高速走行の新幹線が30‰に挑むのですから、感慨深いものがあります。
軽井沢駅手前の碓氷峠トンネルは6092mという長大なものですが、安中榛名側の入口は標高750mほどなので、まさに30‰が連続ということに。
高崎方面への下りも碓氷峠トンネル内では210km/hに制限されています。
2位 山形新幹線|622m
山形新幹線は福島から先、奥羽本線(在来線)を標準軌に拡幅、線路を改良して新幹線車両を走らせたミニ新幹線。
福島県と山形県の県境部に立ちはだかる板谷峠越えの奥羽本線はスイッチバックで標高差を克服していましたが、ミニ新幹線化の際にスイッチバックを廃止しています。
旧スイッチバック駅で、新幹線としては通過駅となる秘境駅の板谷駅が622mの標高でほぼ最高所となっています。
3位 上越新幹線|583.6m
3位に食い込むのは上越新幹線。
上越国境(群馬・新潟県境)の大清水トンネル(2万2221km)はトンネル内の湧水でも有名ですが、最高所が583.6mという高所です。
大清水トンネル内部の標高最高地点から塩沢トンネルの新潟方出口にかけては、越後湯沢駅通過であれば最高速度で走行できます。
大清水トンネルの越後湯沢駅側の出口は標高400mほどなので、一気に180m下ることになります。
トンネルが長いので、勾配は比較的に緩やかで、高速走行も可能。
4位 東北新幹線|標高396m
4位は東北新幹線で、那須塩原駅〜新白河駅間の白坂トンネル(2965m)で、標高396mもあります。
その北側の西郷トンネル・新白河駅側の出口は、地形図では400mを超えているようにも見えますが、正確な資料がないため、判定ができません。
5位 秋田新幹線|標高350m
秋田新幹線は在来線を標準軌に拡幅改軌したミニ新幹線ですが、交通のネックとなっているのが仙岩トンネル。
岩手県と秋田県の県境に立ちはだかる仙岩峠をトンネルで抜けるものですが、標高350mの高所で、田沢湖駅(220.6m)までゆるやかな下りが続くということになります。
6位 山陽新幹線|228.5m
山陽新幹線は意外にも東広島駅付近に最高地点があり、標高は228.5m。
東広島駅自体は、214.3mほどです。
ちなみに山陽本線で最高所の駅は八本松駅(255m)で、やはり東広島市内です。
7位 東海道新幹線|標高173.8m
東海道新幹線の最高所は雪に泣かされる関ヶ原で、関ヶ原トンネルの滋賀側坑口あたりが標高173.8mの最高所です。
米原駅は標高が88.9mなので、琵琶湖に向かって下りが続くことに。
「新幹線で山登り」最高所は標高950m! 路線別・最高点を紹介! | |
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