鉄道好きの多くの人が、目下、「日本一短いトンネル」というのがJR呉線の川尻トンネル(広島県呉市)。全長は8.7mで、かつて日本一を誇り、八ッ場ダム建設で湖中に沈んだ吾妻線・樽沢トンネル(群馬県東吾妻町)の7.2mに迫る短さです。
トンネルの上を野呂山への登山道路が通る
吾妻線・樽沢トンネルは強固な岩の尾根を爆破することができなかったため、掘削して隧道(ずいどう)にしたものでしたが、目下、「日本最短」といわれる川尻トンネルは、どうして誕生したのでしょう?
実際に安芸川尻駅のホームに降り立つと、跨線橋の奥にトンネルが見えます。
地元観光協会が、「日本一短いトンネル」の案内板を要所に出しているので、迷わずに川尻トンネルに到達することができます。
トンネルをよく見ると、上部を広島県道248号(野呂山公園線)が走っています。
かつては有料道路だった「さざなみスカイライン」で、昭和43年7月1日に開通、昭和58年4月1日に無料化されています。
今も瀬戸内海の展望台として有名な野呂山(標高839m)への観光道路で、車の利用者は、気が付かずに「日本一短いトンネル」の上を走っていることになります。
川尻トンネルを訪ねてみても、馬蹄形の入口はまさにトンネルですが、上が車道という姿はトンネルというよりも橋に近いイメージです。
トンネル上の道路の欄干には、「川尻跨線橋」、「かはしりこせんきょう」のプレートがはまっており、車道部分はトンネルではなく、跨線橋ということになります。
厳密には歩道部分はトンネル、車道部分が有料道路建設時の跨線橋ということで、8.7mは跨線橋部分を含まない長さ。
実際にはもう少し長いということに。
【地図を旅する】vol.20「日本一短いトンネル」は全長わずか8.7m! | |
所在地 | 広島県呉市川尻町西2-15 |
場所 | 川尻トンネル |
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