島根県仁多郡奥出雲町にあるJR木次線(きすきせん)の駅が亀嵩駅(かめだけえき)。昭和9年11月20日、木次線の出雲三成駅〜八川駅間の延伸により開業した駅で、当時は亀嵩村の玄関駅でした。駅を有名にしたのは昭和35年〜36年に『読売新聞』夕刊に連載された松本清張の推理小説『砂の器』の舞台となったことから。
松本清張の『砂の器』の舞台となった駅
松本清張の『砂の器』は、蒲田駅操車場で起きた、殺人事件が発端で、東北訛りと「カメダ」という言葉が事件の手がかりとなる長編推理小説。
「朝の一番で木次線で行くという五十歳ばかりの夫婦が寝もやらずに話し合っている。出雲の言葉は東北弁を聞いているようだった。その話声に聞き入っては眠りまた話し声に眼が醒めた」(松本清張/『旅』昭和30年4月号)という経験を題材にしているのです。
ベテラン刑事の今西栄太郎は、秋田県に羽後亀田駅(羽越本線)があることに気が付きます。
捜査が進み、出雲弁が東北弁に似たニュアンンスがあることを知り、島根県の地図から「亀嵩」の駅名を発見、今西刑事は亀嵩駅に足を運び、被害者の過去から犯人像を掴もうとする・・・、という展開。
昭和49年には松竹が丹波哲郎(今西栄太郎役)主演で、映画化。松本清張作品の映画化された作品の中でも傑作として高く評価され、亀嵩駅も注目を浴びたのです(実際のロケに使われたホームは出雲八代駅、駅舎は八川駅でした)。
亀嵩地区でもロケが行なわれ、湯野神社には松本清張『砂の器』記念碑が立っています。
現在駅名の表示などがレトロな書体で、松本清張ファンの訪問を出迎えています。
駅舎には昭和48年創業のそば店「扇屋」が入居し(簡易委託駅)、石臼挽きの奥出雲そばを味わうことができます。
木次線の列車内で味わうことのできる「亀嵩駅そば弁当」(山芋と温泉卵入り)も販売。
事前予約でホームまで届けてくれるサービスも実施。
亀嵩駅 | |
名称 | 亀嵩駅/かめだけえき |
所在地 | 島根県仁多郡奥出雲町郡村335 |
関連HP | 扇屋そば公式ホームページ |
問い合わせ | 扇屋そば TEL:0854-57-0034 |
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