スマートフォンや携帯電話、小型コンパクトのデジカメを使って記念撮影として料理を撮ることは結構あるかと思います。
そんな時、ちょっとした工夫で、ワンランク上の写真を撮るコツを伝授しましょう。
料理を撮る5つの基本
(1)余分な物はどける
プロが料理撮影をする場合、当然、撮影物を絞り込みます。
スマートフォンやデジカメ、携帯電話で料理写真を撮るときに案外、おろそかになっているのが、料理以外のものの映り込み。
居酒屋なんかだととくにそうなっちゃいますね。
フレーム(画面)のなかにお絞りやビールのジョッキ、お茶などが入っていることが間々ありますが、まずはこれをフレームの外にはずしましょう。
箸は箸袋に店名が入っているので、思わず添えたくなりますが、1枚だけ箸入りの写真を撮ったら、入魂の1枚はぜひとも箸をはずしましょう。
(2)丼物など対象を絞る
これも携帯電話などで写真を撮るときの基本ですね。たとえば「○○定食」とか「●×セット」という場合。
メインの皿あるいは丼に、汁、お碗、香の物、デザートなどがセットになっていますが、これをすべて見せるというのは諦めましょう。
メインの皿あるいは丼を中心にほかのものは一部が映ればいいという具合な「諦め」、割り切りが肝心です。
つまりは「何を撮りたいのか」を考えて対象物を絞り込むということ。
セットのデザートがどうしても撮りたければ別にデザートだけを単品でパチリとすればいいのですから。
(3)少しアップ気味を心がける
これは(2)の話と重なる部分もありますが、少しアップ気味に撮るように心がけると「なかなかいいじゃないか!」と納得いく写真が撮れると思います。
たとえば下の写真は、私が自宅で自作したオムハヤシです。携帯で撮ったものですが、このくらいに寄って(アップにして)撮るといいでしょう。
作例1:オムハヤシ(これくらいアップの方が迫力が出ますし、おいしそうに見えます)
(4)目線を生かして撮る
料理は料理人が見られることを意識して作っています。
ですから当然、食べる人の目線を意識して盛りつけています。
たとえばファーストフードでいえば「てんや」の天丼は、イカの天ぷらをベースにしてドンと迫力あるように、エビなどをイカの上に立体的なオブジェのように盛りつけています。
これは立体的な料理の一例ですが、場合によっては平面的にプレートにソースでデコレーションしているフレンチが被写体かもしれません。
ですから、いかなる場合にもとりあえずは「目線を生かして撮る」のが基本と考えましょう。
ラーメンなど、よく雑誌に真上から撮った真俯瞰の写真が使われていますが、これはデザイン的に丼が円形になって見栄えがいいとか、撮影時の角度を統一するのが難しいというデザイン的な理由からです。
ですからこれを真似ることはありません。真俯瞰で撮影するのは「記録として残したい」場合に限定しましょう。
(5)ブレないようにカメラをしっかりとホールドする
ここまで考えたら、いよいよ撮影です。あとははやる気持ちを抑えて冷静にシャッターを切るだけです。
ゴルゴ13のようなクールな気持ちで被写体に臨みましょう。
その際に「カメラをしっかり持ってブレないようにする」「そっとシャッターを押す」(シャッターを押すときにブレることがよくあります)というのはキホンのキの字です。
作例2:刺身定食(メインの刺身を前に、背後に小鉢を置きました。十分にピントもきています)/これも携帯で撮っています。
【撮影&指導/大石正英(photographer)】
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag