乗車券だけで特急に乗る！　乗車時間は1時間の区間も！

普通乗車券、そして「青春18きっぷ」でも乗車できる特急が、2024年3月16日のダイヤ改正後、国内には5ヶ所となります。特急券なしで、最長の旅ができるのは、JR北海道の石勝線・新夕張駅～新得駅間で、89.4 kmもあって所要も最速の特急でも1時間もかかります。

「特急券を買わずに乗車しました！」のSNSも・・・

「炎上覚悟で～特急券を買わずに～」などというツイート（ポスト）も見かけますが、実際には、この乗車券だけで特急に乗車できるという特例区間のこと。
「私もその区間料金なしで乗っていました。懺悔」などというリツイート（リポスト）も、それを承知の上でのものです。
鉄道ファンのなかでは、ある意味常識なことですが、春休みなどに初めて「青春18きっぷ」を利用しようとする場合には、覚えておいて損はありません。

乗車券だけで特急に乗車できる特例区間

石勝線・新夕張～新得｜特急「おおぞら」・「とかち」

乗車時間：最速で1時間
特急に乗車できる理由：石勝線新夕張駅～新得駅間を走る普通列車はなく、特急「おおぞら」、「とかち」のみ運転。
途中駅の占冠駅（しむかっぷえき）は一部列車は通過、トマム駅にはすべての特急列車が停車します。
トマム駅〜新得駅間は、ひと駅でなんと33.8kmもあり、JR山手線の日暮里駅〜西日暮里駅の542mに比べると、62倍もの距離があります。
2024年3月16日のダイヤ改正で、特急は全車指定席となり、自由席車両が廃止されるため、乗車券のみで普通車指定席の空席を利用可能で、「空席がない場合はデッキ等での立席利用となります」とのこと。

室蘭本線・東室蘭～室蘭｜特急「すずらん」

乗車時間：12分
特急に乗車できる理由：普通列車の運転本数が少なく、時間帯によっては特急しかないため。
2024年3月15日までは、東室蘭〜室蘭は特急が普通列車となって運転されていましたが、3月16日のダイヤ改正で特急として室蘭まで運転し、特例として普通乗車券でも乗車ができるようになりました。
2024年3月16日のダイヤ改正で、特急は全車指定席となり、自由席車両が廃止されるため、乗車券のみで普通車指定席の空席を利用可能で、「空席がない場合はデッキ等での立席利用となります」とのこと。

奥羽本線・新青森～青森｜特急「つがる」（快速「リゾートしらかみ」）

乗車時間：5分
特急に乗車できる理由：新幹線は新青森駅までで、青森駅とはひと駅の移動が必要。その際に、普通列車しか利用できないと本数が少なく不便なため、自由席に乗車する場合に限り、特急料金不要という特例が設けられています。
奥羽本線新青森～青森間では、同様に、特急列車のほかに全車指定席の快速列車の空いている席にも座ることができます。
つまり、全車指定の快速「リゾートしらかみ」と「五能線クルージングトレイン」（リゾートしらかみ車両が使用できない日に、代わりに運転される列車）にも乗車できることに。

佐世保線・早岐～佐世保｜特急「みどり」、特急「みどり（リレーかもめ）」

乗車時間：9分～14分
特急に乗車できる理由：早岐～佐世保間は利用客が多く、2018年3月17日のダイヤ改正で普通列車が大幅に減便となり、その救済措置として特急自由席に乗車できるようになったもの。

宮崎空港線・宮崎空港～宮崎｜特急「にちりん」、特急「ひゅうが」

乗車時間：10分
特急に乗車できる理由：普通列車の本数が少ないため、空港アクセスの向上を目的に、特急の自由席に乗車が可能になっています。