全国に63ヶ所あるうち、奈良県には10ヶ所もあって全国最多。飛鳥時代、奈良時代は外来文化を昇華させた日本文化の原点ともいえる時代ですが、そうした歴史を今に伝える貴重な遺構が多いのが奈良県ということに。ヤマト王権から飛鳥時代、奈良時代の遺構が国の特別史跡に指定されているのです。
キトラ古墳
所在地:奈良県高市郡明日香村阿部山
内容:持統天皇8年(694年)完成の藤原宮(ふじわらのみや)の南の墓域に位置する壁画古墳
古墳の天井に描かれている天文図は、現存する東アジア最古のものですが、最新の天文学の研究で、なんと中国で観測された天文図であることが判明しています
中尾山古墳、高松塚古墳と同様に「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
高松塚古墳
所在地:奈良県高市郡明日香村平田439
内容:藤原宮の南の墓域に位置する壁画古墳(上段直径18m、高さ5mの円墳)
昭和47年、「わが国考古学会の戦後最大の発見」といわれる極彩色の壁画を施した石室が発見され話題に
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
山田寺跡
所在地:奈良県桜井市山田1258
内容:大化の改新の功臣でもある蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ=蘇我入鹿のいとこ)が、641年(舒明天皇13年)に建設を開始した古代寺院
発掘調査から、中門、塔、金堂、講堂が南から北へと並び、金堂と塔を回廊が囲んでいたことがわかっています(山田寺式伽藍)
桜井市はヤマト王権の中心地とも推測される場所です
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
石舞台古墳
所在地:奈良県高市郡明日香村島庄
内容:7世紀初めに築造された方墳で石室(日本最大級の横穴式石室)がむき出しになったもの
石室の規模も破格で、古代国家形成の舞台、飛鳥を支配した豪族の権勢を偲ばせるものとして特別史跡に
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
巣山古墳
所在地:奈良県北葛城郡広陵町三吉
内容:墳丘長210mという巨大古墳(全国28位、奈良県内11位)で4世紀末の大王墓のひとつ
大王の墓域が佐紀から河内へ移動する時期に築かれた前方後円墳として貴重な存在
墳丘に立ち入ることもできます
藤原宮跡
所在地:奈良県橿原市高殿町
内容:大和三山に囲まれた日本最初の本格的な皇宮の遺構(唐の長安城を模した王都)で、持統天皇8年(694年)の完成
平城京遷都までの16年間、持統、文武、元明の天皇3代が律令国家体制を強力に推進した宮殿の跡
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
安倍文殊院
所在地:奈良県桜井市阿部645
内容:「日本三文殊」に数えられる華厳宗の寺
大化改新の時に左大臣として登用された安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が氏寺として建立した安倍寺(崇敬寺)が創始
平城宮跡
所在地:奈良県奈良市佐紀町
内容:奈良時代の日本の首都「平城京」の北端部に造営された宮殿の遺跡
元明天皇の和銅3年(710年)から桓武天皇の延暦3年(784年)までの70余年にわたり、8代の天皇の宮殿となり、天平文化繁栄の舞台となった場所
世界文化遺産「古都奈良の文化財」の構成資産で特別名勝との重複指定
平城京左京三条二坊宮跡庭園
所在地:奈良県奈良市三条大路1-5-38
内容:平城宮跡の西南、平城京左京三条二坊6坪に位置する園池を中心とする奈良時代の庭園遺跡
日本古代の庭園の姿を伝える貴重な文化財
本薬師寺跡
所在地:奈良県橿原市城殿町
内容:藤原宮の南に配された仏教による鎮護国家を象徴する2つの官寺(大官大寺・本薬師寺)のひとつで、奈良市の西の京にある薬師寺の前身
天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒のため祈願して、天武9年(680年)に薬師如来を本尊とする寺の建立に着手、建設途中で天武天皇が没したため、持統天皇がその遺志を継いで完成させています
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産
国の特別史跡が最も多い県は奈良県で、なんと10ヶ所も! | |
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