キトラ古墳

明日香村の飛鳥歴史公園内キトラ古墳周辺地区の南に位置するキトラ古墳。阿部山の南斜面に位置する二段築成作りの円墳(上段が直径9.4m、下段が直径13.8m)で、昭和58年に、「玄武」壁画が発見され話題を集めました。東西南北の四壁の中央に四神の青龍、白虎(びゃっこ)、朱雀(すざく)、玄武が描かれています。

7世紀末頃築造の貴重な壁画古墳

古墳の天井に描かれている天文図は東アジア最古のもの。
キトラという風変わりな名前は、壁画の亀(玄武=北)と虎(白虎=西)からとも、北浦(阿部山集落の北)という地名の転ともいわれており定かでありません。
高松塚古墳では白虎が南向きなのに対し、キトラ古墳では風変わりな北向きに。
高松塚古墳では天井の絵がデザイン化された「星宿図」なのに対し、キトラ古墳は精緻な「天文図」となっています。

高松塚古墳に比べて唐文化の影響を受けていないことから、遣唐使が帰国する704年以前の7世紀末から8世紀初め頃の築造と推定されています。
埋葬者も定かでなく、阿部山という地名から右大臣の阿倍御主人(あべのみうし)とする説もありますが(その意味では全国の阿部さんのルーツ)、天武天皇の皇子・高市皇子(たけちのみこ)や百済王・昌成(しょうじょう)とする説もあります。

壁画の公開などは奈良文化財研究所が担当。
キトラ古墳壁画体験館四神の館1階の「キトラ古墳壁画保存管理施設」では、期間限定・事前登録制で壁画実物を公開しています。

現在、国の特別史跡になっている装飾古墳は、キトラ古墳のほか、同じ明日香村の高松塚古墳と、ヤマト王権の九州支配の拠点だった福岡県嘉穂郡桂川町にある王塚古墳の3ヶ所にすぎません。

キトラ古墳
名称 キトラ古墳/きとらこふん
Kitora Tumulus
所在地 奈良県高市郡明日香村阿部山
関連HP 国営飛鳥歴史公園公式ホームページ
電車・バスで 近鉄吉野線飛鳥駅から徒歩35分
ドライブで 京奈和自動車道木津ICから約34km
駐車場 42台/無料
問い合わせ キトラ古墳壁画体験館 四神の館 TEL:0744-54-5105
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区

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