飛行機(旅客機)は、飛行機の大小を問わず、必ず左側に扉があり、タラップ、ボーディングプリッジを使って搭乗します。実は、この「左側のから乗る」という方則、中世の北欧の海を支配したバイキング船にルーツがあります。当時は船もかつては左舷(さげん)からの乗船だったのです。
そのルーツは中世、ヨーロッパのバイキング船に!
実は機内搭乗案内でも伝えられる通り、ドアは飛行機の右側にも設置されていますが、これは業務用(サービスドア/service door =機内食や飲料の搬入、ごみの搬出などの整備作業)で、乗り降りには左側(パッセンジャーエントリードア/passenger entry door=乗降用ドア)が必ず使われています。
船では左舷をポートサイド(port side)、右舷をスターボードサイド(starboard side)と呼んでいます。
ポートサイドはその名の通り、船が接岸、タラップを下ろす港側を意味しています。
スターボードサイドは「舵側」(かじがわ)を意味するステアリングボードサイド(steering board side)の転訛で、本来は船を操舵する舵のある右側の意です。
現在の船は、舵は最後部に備わっていますが、中世のバイキング船(西暦800年~1050年頃)は右舷船尾に舵を有していたのです(オスロ「ヴァイキング船博物館」などの解説)。
バイキング船は右舷に舵を有するため、舵を破損しないように左舷を接岸させ、乗降し、貨物の積み下ろしを行ないました。
このことが船にポピュラーな構造となり、これが飛行機にも流用されたというわけです。
バイキング船の舵がなぜ右側だったのかは、定かでありませんが、船体の右側に舵があれば、右利きの人が利き手を使って舵を操作できるので便利というのが通説です。
こうして船の港(port)に対し、空の港、空港(airport)という言葉も誕生、飛行機も「左側接岸」という船の歴史を踏襲したのです。
左側のドアから飛行機に搭乗するのはなぜ? 実は、バイキングがルーツ! | |
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