東京駅〜高松駅、そして東京駅〜出雲市駅を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」。今や日本で唯一の定期寝台特急ですが、その車両を保有するのは、JR西日本と、なぜかJR東海。JR四国でも、JR東日本でもなく、通過してしまうJR東海というのはなぜなのでしょう。
名古屋駅は通過しますが、JR東海管内を341.3kmも走行!

もともと、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」は、国鉄時代の寝台列車の急行「瀬戸」、急行「出雲」がルーツで、昭和47年に特急化され、20系のブルートレインになりました(分割民営化後はJR西日本の保有)。
その後継ということで、電化によるスピードアップによる競争力確保を目的に、「さわやかな朝、新しい一日のはじまり」をテーマにJR西日本主導で開発されたのが、現在使用されるダブルデッカー、285系寝台電車です。
開発には、収益増が見込まれることからJR東海も参加し、平成9年6月20日、JR西日本・JR東海両社から共同プレスリリースというかたちで発表が行なわれました。
285系寝台電車は、5編成35両が製造され、3編成21両がJR西日本の後藤総合車両所(鳥取県米子市)に所属(出雲支所配置)。
残りの2編成14両はJR東海の大垣車両区に所属しています。
ただし、JR西日本に委託しているため、実際の管理はすべて後藤総合車両所出雲支所が行なっています。
下り寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の運行は、東京駅~熱海駅間はJR東日本が担当し、熱海駅~米原駅間をJR東海が担当、その先がJR西日本(「サンライズ瀬戸」は児島駅から先がJR四国)と目まぐるしく担当(乗務員)が代わります(JR東海管内でも下り定期列車は、熱海駅、沼津駅、富士駅、静岡駅、浜松駅に停車)。
つまりは会社境界で交代しているということに。
走行距離は、東京駅~熱海駅間が104.6kmなのに対し、熱海駅~米原駅間は341.3kmもあるので、JR東海が車両を開発、保有していても不思議はありません。
国鉄が分割民営化された際、20系などのブルートレインも各社が引き継ぎましたが、JR東海はJR東日本、JR西日本に比べて保有車両数が少なく、あえて「サンライズ瀬戸・出雲」という電車寝台特急の開発保有に手を上げたという説もありますが、定かでありません。
寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の285系をJR東海が所有する理由とは!? | |
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