長野県諏訪郡富士見町にある中央本線信濃境駅〜富士見駅間の立場川(たつばがわ)に架かる旧立場川橋梁が、取り壊されることが決まりました。旧立場川橋梁は明治37年の開通時に架橋されたボルチモアトラス橋。昭和55年に現役を退き、南側に新橋梁(2代目立場川橋梁)が架かっています。
明治36年完成、全長110mの歴史的な橋梁
2代目となる現在の橋梁は、少し味気ないプレストレスト・コンクリート橋。
旧立場川橋梁は、有名な磐越西線の撮影地、一ノ戸川橋梁(いちのとがわきょうりょう/土木学会選奨土木遺産)と同じボルチモアトラス橋(Baltimore truss)です。
近代化遺産として残す計画もありましたが、劣化が進み、平成18年に落下の恐れがあるボルトと枕木を撤去しています。
橋梁下を町道が通っているため、地震などの際の危険もあり、将来的には取り壊されることになりました。
「鉄道史の上では貴重だが、管理費用が莫大になることから、住民への負担が大きい」というのがその理由で、「保存という選択ではなく、最終的には撤去を検討することが現実的」ということに。
宮崎駿監督、スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画『風立ちぬ』(平成25年7月20日公開)では富士見高原病院へのシーンの遠景に、旧立場川橋梁が描かれ、さらにカンヌ映画祭で高い評価を受けた令和5年の映画『怪物』(監督・是枝裕和、主演・安藤サクラ/音楽を担当した坂本龍一の遺作)のロケ地にもなっています。
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