中禅寺湖の湖畔でひときわ目立つ標高2486mのコニーデ型の独立峰が、男体山(なんたいさん)。江戸時代まで「日光山」と呼ばれた神仏習合信仰の中心的な存在で、日光開山の勝道上人の開山。「日光山」は神仏分離令で日光二荒山神社と日光山輪王寺に分かれましたが、男体山は今も全山が日光二荒山神社の神域です。
中禅寺湖畔の中宮祠が登拝口
登山口は日光二荒山神社中宮祠(にっこうふたらさんじんじゃちゅうぐうし)の登拝門。
中禅寺湖の湖畔からの高低差は1200mなので3~4時間ほどで頂上に到達できます。
奈良時代末の天応2年(782年)、日光開山の勝道上人が男体山登拝に成功し、二荒山大神(二荒山権現)を祀ったのが現在の日光二荒山神社奥宮。
男体山登頂という偉業の足跡を慕い、その後、多くの修験者が集まり(伝承では空海も)、山岳信仰の一大メッカとなったのです。
登山口である中宮祠は日光山内の本社と山頂の奥宮の中間にあたるため中宮祠と呼ばれているのです。
男体山山頂の銅鳥居をくぐると、奥宮が鎮座し、社殿と並び社務所と登拝者のための休憩舎(旧社務所)が建っています。
独立峰ゆえに山頂では360度の大パノラマがひらけ、関東一円はもちろん、快晴の時なら遠くは伊豆大島まで望めるほど。
山頂から200m西にある旧噴火口縁の巨岩上には太郎山神社が鎮座しますが、一帯は古代祭祀遺跡(男体山頂祭祀遺跡)となっています。
大正13年、昭和34年の発掘調査では、奈良時代の銅製5個、鉄製1個の三鈷鐃(さんこにょう)を含め1万点の埋納品が出土しています。
出土した三鈷鐃は国の重要文化財指定されています。
日光二荒山神社では、毎年7月31日の午後から8月7日にかけて『男体山登拝大祭』が行なわれています(期間中、0:00に登拝門が開門し、山頂で日の出を拝む夜間登山が可能)。
日光連山では奥白根山(日光白根山)とともに、深田久弥の「日本百名山」にも選定されています。
男体山 | |
名称 | 男体山/なんたいさん |
所在地 | 栃木県日光市中宮祠 |
関連HP | 日光市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR日光駅・東武日光駅から東武バス湯元温泉行きで55分、二荒山神社下車、表登山道で山頂まで3時間30分 |
ドライブで | 日光宇都宮道路清滝ICから約14kmで二荒山神社中宮祠登山口。山頂まで徒歩3時間30分 |
駐車場 | 中宮祠登山者駐車場利用 |
問い合わせ | 日光市観光協会日光支部 TEL:0288-54-2496 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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