東京都板橋区小豆沢4丁目、新河岸川沿いにある公園が、小豆沢河岸広場(あずさわがしひろば)。東京水辺ラインの小豆沢発着場(水上バス小豆沢発着所)があり、震災などの時に利用できる川港にもなっています。江戸・東京と川越を結んだ舟運時代には小豆沢河岸があった場所です。
新河岸川舟運の小豆沢河岸が、水上バスの発着所に!
新河岸川の舟運は、寛永10年(1633年)の川越大火によって炎上した川越小仙波の東照宮の再建の用材を、舟で運んだのが始まり。
新河岸川は岩淵水門近くで隅田川に合流し、幕末から明治初期には川越藩が整備した川越五河岸(扇河岸、上新河岸、下新河岸、牛子河岸、寺尾河岸)とを結ぶ舟運が全盛期を迎えています。
小豆沢河岸は中山道との接点にもあたり、重宝されたのです。
幕末に江戸と川越を結ぶ早船(夜行便)は、一晩寝ているうちに江戸に着いたことから「川越夜舟」と呼ばれて重宝されていました。
ただし、現在の新河岸川は、明治43年8月11日の荒川大洪水(志村一帯の浸水は4m〜5m)を契機に、荒川の蛇行を直線化(東京都立浮間公園と板橋区立舟渡水辺公園は旧荒川の蛇行した河道跡)、荒川放水路開削工事が行なわれ、現在の都内区間を大正時代に人工運河 として開削したもの。
人工運河の開削後も舟運は盛んに行なわれましたが、大正3年に川越と池袋を結ぶ東上鉄道(現・東武東上線)が開通し、昭和初期に役割を終えています。
かつての小豆沢河岸は、蛇行する荒川にあり(現在の新河岸川)、小豆沢という地名も中世(平安時代)、小豆を積んだ船がこの地の入江に沈んだことに由来するといわれています(『新編武蔵風土記稿』)。
昭和48年に新河岸川の護岸壁が完成し、往時ののどかな小豆沢河岸の風景は失われ、代わって平成元年5月20日、小豆沢河岸広場が整備されています。
公益財団法人東京都公園協会の運航する東京水辺ライン。
小豆沢発着所からは、葛西臨海公園や両国へ船の旅を楽しむことができますが、残念ながら定期便ではなく、不定期便の「いちにちゆらり旅」(隅田川・荒川・東京湾を一日かけて周遊するコース/小豆沢乗船、小豆沢下船の場合は5時間30分の船旅)。
小豆沢河岸広場(東京水辺ライン小豆沢発着所) | |
名称 | 小豆沢河岸広場(東京水辺ライン小豆沢発着所)/あずさわがしひろば(とうきょうみずべらいんあずさわはっちゃくじょ) |
所在地 | 東京都板橋区小豆沢4丁目地先 |
関連HP | 東京水辺ライン公式ホームページ |
電車・バスで | JR北赤羽駅から徒歩15分、都営地下鉄志村坂上駅から徒歩15分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 東京都公園協会東京水辺ライン TEL:03-5608-8869/板橋区産業経済部くらしと観光課 TEL:03-3579-2251 |
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