2020年頃からマンションが林立する江東区でもタヌキの目撃例が急増、現在では23区内でタヌキが生息していなくはないだろうといわれています。正確な統計はありませんが、タヌキなどの目撃情報を集約する「東京タヌキ探検隊!」、NHKシチズンラボなどの情報では、杉並区の目撃例がもっとも多くなっています。
目撃例のTOPはダントツで杉並区
タヌキは在来の野生生物で、アライグマなどの外来生物とは違って、調査対象ではないために区役所もその生息数を把握していません。
2020年頃から目撃数が増加したのは、コロナ禍で、23区内でも休業中や廃業した飲食店も数多く、これまで残飯を餌にしていたタヌキが、食べ物を求めて街中に出てきたとも推測されています。
その一方で、本来は木の実や果物などを食べている野生のタヌキが飲食店の残飯をあさるとは考えづらく、徐々に生活圏に侵入しつつあるのではと考える専門家もいます。
暗い場所だと外来種のハクビシンと見分けがつかない場合もあり、タヌキだと思ったら、ハクビシンということも。
NHKでは、「東京のタヌキはどこにいる!?」 と「タヌキ大調査」を行なっています。
2022年2月5日から2024年3月21日の間にNHKシチズンラボに届いた目撃例394件を集計すると、一番多く目撃情報が寄せられているのは杉並区(31件)、次いで世田谷区(17件)、練馬区(14件)、文京区(10件)、江東区・大田区・中野区(7件)、板橋区・目黒区(6件)、豊島区(5件)、渋谷区・足立区・台東区・江戸川区(3件)、新宿区・中央区・港区・荒川区(1件)の順でした。
千代田区、墨田区は目撃報告がなく、23区ではこの2区が空白区ということに(実際に生息していないということではありません)。
突出して目撃例が多かったのが杉並区で、その目撃例も善福寺公園を源とする善福寺川沿いの緑地が多いので、タヌキが好む環境があるのだと推測できます。
世田谷区、練馬区なども湧水池や緑があるので、杉並区だけが突出したのは、善福寺川(原寺分橋の下には湧水も)の流れとその周辺に整備された善福寺川緑地と和田堀公園(ともに都立公園で、緑地帯として連続性ある空間を構成)に武蔵野の面影を残す木立があることに関係しているのかもしれません。
今度の休日、善福寺川緑地でタヌキを探すのもいいかもしれません。
ただし、野生動物なので、餌やりや触ることは厳禁です。
注/使用する野生タヌキの画像はイメージ画像で、杉並区内で撮影したものではありません
東京23区内でタヌキがもっともよく目撃される区は!? | |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag