東北森林管理局(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県を管轄)は、冬眠に備えたツキノワグマの主な食料となるブナの実について、「令和7年度のブナの開花状況と結実予測について」を発表していますが、それによると5県すべてで「大凶作」の予想。熊が山里に降りてくる可能性が大きくなっています。
5県すべてでブナの実最悪の「大凶作」の予想
ブナの実の実りを豊凶指数で示していますが、樹冠全体にたくさんの実がついた豊作の状態を5、樹冠上部に多くの実をつけている場合は3、ごくわずかに実をつけているときは1、まったく実りがない場合を0で表します。
その豊凶指数は、青森県0.5、岩手県0.6、宮城県0.3、秋田県0.4、山形県0.4という状況ですべて「大凶作」に該当。
夏の開花時点で5県とも大凶作というのは、令和5年以来。
それ以前だと平成18年まで遡るので、今後、地球温暖化によりブナ林の分布適域が大幅に減少するという予想もあり、熊の出没はますます増えるかもしれません。
白神山地などでもこのまま温暖化が進めば、高所しかブナが生育できなくなることが危惧されています。
秋田県では、ブナの実りが「大凶作」だった令和5年、熊に襲われてケガをした人は70人と過去最多となっています。
秋田県も、山の中の食べ物が少ないと熊の行動範囲が広がるため、人の生活圏に出没する熊が増える恐れがあると警戒を強めています。
さらに、ここに餌があったということを覚えていれば、山の中に餌があってもそこに執着して、人里に下りてくるというようなことは考えられるということで、一度山里に降りてきた熊はなかなか山に戻らないという指摘もあります。
東北に旅する際には、熊の出没情報のチェックを。
東北では今秋、クマの餌・ブナの実が最悪の「大凶作」、熊出没注意! | |
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