3県がY字型に県境となる三県境(旧国では三国境)は、三重県と奈良県間の和歌山県の飛び地含めて全国に48ヶ所ありますが、山の頂上や河川の真ん中という場合が多く、平地に存在するのは、栃木県栃木市・群馬県邑楽郡板倉町・埼玉県加須市の1ヶ所のみ。観光地化され、「3歩で3県」とPRされています。
谷中湖誕生以前は、渡良瀬川の川中に三県境があった
平地にある日本唯一の三県境、栃木・群馬・埼玉県境ですが、群馬県側の板倉町は、『群馬の水郷 揚舟 谷田川めぐり』で知られる水郷の町。
「利根川・渡良瀬川合流域の水場景観」として国の重要文化的景観に関東で唯一選定されています。
栃木・群馬・埼玉県境も、もともとは渡良瀬川(わたらせがわ)の川中にありましたが、明治23年、明治29年の洪水で足尾銅山から渡良瀬川に流れ出た鉱毒による被害(足尾鉱毒事件)が生まれたため、洪水対策で明治43年から渡良瀬遊水地(谷中湖)が築かれました。
この河川改修で流路が変わり、かつて川中だった栃木・群馬・埼玉県境部分は沼地に。
さらに圃場整備で沼地が埋め立てられ水田に変わったため、現在は水田の中の三県境になったのです。
水田となった後には、沼地の埋め立てのせいで三県境の杭も失われて、どこに県境があるのか定かでない時代も続いていました。
県境を再確定するため、2市1町は2015年1月から、県や国土地理院のアドバイスを受けながら協議を進め、2016年1月から合同で境界測量を開始。
その結果、かつて群馬県が設置した県境確認用杭も見つかり、3月31日に埼玉県加須市、栃木県栃木市、群馬県板倉町の2市1町は「行政区域境界確認書」に調印。
コンクリート製の杭、「北緯36度12分27秒、東経139度39分50秒」と位置と自治体名を刻み込んだ記念プレートを新たに設置したのです。
地元自治体はパワースポットなどとPRし、2016年秋には「歩いて行ける!!平地の三県境〜関東三県の端から始める関東どまんなか連携事業」を開始。
2市1町は地権者から周辺の土地を買い取り、遊歩道なども2018年4月7日に完成、観光スポットとして訪れる人も増加しています。
3歩で3県、平地にある日本唯一の三県境へ! | |
所在地 | 埼玉県加須市小野袋・群馬県邑楽郡板倉町海老瀬・栃木県栃木市藤岡町下宮 |
場所 | 平地の三県境(栃木・群馬・埼玉三県境) |
電車・バスで | 東武日光線柳生駅から徒歩10分 |
ドライブで | 東北自動車道羽生ICから約12km |
駐車場 | 道の駅きたかわべ駐車場を利用 |
問い合わせ | 北川辺総合支所地域振興課 TEL:0280-62-2111/板倉町産業振興課 TEL:0276-82-1111/栃木市渡良瀬遊水地課 TEL:0282-62-0919 |
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