鳥取県境港市、明治時代築の古い酒蔵を再生した、白壁の外観がお洒落な境港のミュージアムが、海とくらしの史料館。内部には約700種、4000点という数においては日本一という魚の剥製(はくせい)が、広い展示室を埋めつくすように展示。水産情報・漁法の紹介など「海とくらし」がよくわかる内容です。
リアルな魚の剥製が並ぶ、水のない水族館
日本一の巨大マンボウ(体長2.8m)、体長4.2mのホオジロザメが大きな口をあけて泳いでいるように見える展示などは、まるで水族館の水槽をのぞいている気分。
境港で水揚げされたクロマグロやシュモクザメ、ウバザメなどのサメ類などの剥製も展示されていますが、水族館とは違い、魚が動かないのでじっくりと観察できるのが剥製展示のポイント。
展示される剥製は、境港の水産会社に勤務していた種政幸(たねまさゆき/現・瀬戸内海水産美術工芸研究所所長)さんが「本当の魚を子供たちに見せたいという」思いから、30年以上の年月を掛けて開発した独自の方法で制作したもの。
魚の皮を切ることなく、口やエラ、肛門から内臓や筋肉などを取り出し、漏斗(ろうと)などの道具を使って詰め物をし、姿が整った後、魚体の表面を特殊な樹脂で固め、内部の詰め物を取り出して、生きていた時の姿を再現しています(高松市の瀬戸内海歴史民俗資料館にも種政幸氏の剥製が展示されています)。
本物の漁船「みなと丸」も置かれ、内部を見学可能です。
2階には古くから使われていた漁の道具や民具、農具なども展示されています。
隣接する境台場公園は、幕末に鳥取藩が築いた砲台の跡。
一帯の景観を維持するために、あえて古い酒蔵を改修して平成6年4月に開館しているのです。
境港は平成4年から5年連続日本一の水揚げ高を記録するなど、日本有数の水産都市(平成7年から始まったマイワシ資源の激減により現在では減少しています)。
地味ながら、そのシンボルともいえるミュージアムとして機能しています。
画像協力/鳥取県
海とくらしの史料館 | |
名称 | 海とくらしの史料館/うみとくらしのしりょうかん |
所在地 | 鳥取県境港市花町8-1 |
関連HP | 海とくらしの史料館公式ホームページ |
電車・バスで | JR境港駅から境港市営はまるーぷバスで6分、台場公園・海とくらしの史料館入口下車、すぐ |
ドライブで | 米子自動車道米子ICから約23km |
駐車場 | 13台/無料 |
問い合わせ | 海とくらしの史料館 TEL:0859-44-2000/FAX:0859-44-2009 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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