富山県富山市新総曲輪にあるのが富山県庁舎本館。現存する富山県庁舎本館は旧神通川廃川地に昭和10年8月17日に竣工した鉄筋コンクリート造4階建て(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)の庁舎で、国の登録有形文化財。全国の都道府県庁舎でも5番目に古い現役の庁舎になっています。
富山大空襲から焼け残った貴重な庁舎
昭和20年8月1日の富山大空襲(原爆以外の地方都市への空襲としては最も被害が大きかった空襲)では、焼夷弾の直撃を受けましたが奇跡的に焼け残り、富山電気ビルデイング、NHK富山放送局などとともに、焼け残った数少ない建築物のひとつ。
宿泊していた職員数十人が消火にあたり、なんとか焼失を免れています。
1階外壁は石張り、2階以上はスクラッチ・タイル貼りで、庇や壁頂にテラコッタを飾り、階段の手すりの大理石、知事室や特別室などには往時の内装をそのまま残しています。
設計は、国会議事堂、山口県庁(現・山口県政資料館/国の重要文化財)などの建設に携わった建築家・大熊喜邦(おおくまよしくに)で、関東大震災後ということもあり、耐震構造になっています。
設計のコンセプトは「威厳と親和」で、国会議事堂と同じ、シンメトリー(左右対称)。
正面玄関に入いると、4階まで達する吹き抜けで、重厚なだけでなく、開放的な空間も配されています。
3階にある特別室は、かつては貴賓室で天井の漆喰彫刻も見事。
終戦の2年後には、昭和天皇が富山県内各地の復興状況視察に訪れ、ここに宿泊しています。
富山都市計画事業を今に伝え、戦前の富山市街地の近代化を象徴する公共建築となっています。
富山県庁舎本館 | |
名称 | 富山県庁舎本館/とやまけんちょうほんかん |
所在地 | 富山県富山市新総曲輪1-7 |
関連HP | 富山県公式ホームページ |
電車・バスで | JR富山駅から徒歩10分 |
ドライブで | 北陸自動車道富山ICから約5.5km |
問い合わせ | 富山県庁舎県庁案内 TEL:076-431-4111 |
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