世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」に選定の白川郷(岐阜県大野郡白川村荻町)、平家落人伝説が伝わる四国山中の祖谷(いや/徳島県三好市)、そして日本の原風景が広がるという九州山中の椎葉村(しいばそん/宮崎県東臼杵郡椎葉村)が日本三大秘境と称されています。
白川郷|岐阜県
所在地:岐阜県大野郡白川村荻町
関連する文化財指定:白川村荻町伝統的建造物群保存地区、世界文化遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」
秘境度:★
雪深く、冬場となると交通が閉ざされた「隔絶した村」で、独特の景観と生活文化が誕生
長らく秘境的な存在でしたが東海北陸自動車道の開通で白川郷ICも誕生、秘境度は少なくなっています
秘境を体感したい場合は、合掌造りの民宿に宿泊して外国人ツアー客のいない早朝や夜の雰囲気を味わうのがおすすめです(とくに豪雪期)
内容:江戸時代中頃から養蚕が盛んになり、さらに火薬の原料である焔硝製造(しょうえんせいぞう=藁などを発酵させ硝酸カルシウムを含んだ土壌をつくり、精製して焔硝を生産)も行なわれるようになって、合掌造り民家が発達、勾配が60度近くもある急傾斜の茅葺の切妻屋根(合掌造り)の家の周囲の田畑、山林、道路、水路が往時のままに現存、秘境的な雰囲気を醸し出しています
住民の信仰の中心である浄土真宗の寺も集落内に2つあり、ホンコサマ(報恩講)と呼ばれる報恩感謝の仏事が今も行なわれるなど、昔ながらの習俗も現存
代表的なスポット=白川郷の美しい合掌集落を一望にする荻町城跡展望台
象徴的な建物=白川郷・荻町合掌集落で最大規模を誇る合掌造りの和田家は国の重要文化財に指定
祖谷|徳島県
所在地:徳島県三好市東祖谷・西祖谷
関連する文化財指定:落合集落(三好市東祖谷山村落合重要伝統的建造物群保存地区)
秘境度:★★
平家落人伝説を今に伝える祖谷、集落内の高低差は390mにも及び急傾斜地に集落が形成され、暮らすにも困難な場所というのが、落人伝説の裏付けに
外国人観光客にも注目されていますが、集落への道は狭く、秘境度もたっぷり
内容:明治40年頃の地図と見比べてもさほど変化がないのが落合集落で、斜面いっぱいに耕作地と民家、石垣が広がり、「祖谷川の美しい渓谷美と山々の眺望、山間の斜面地に広がる農村集落が自然と人々の営みが調和した美しい景観を形成」ということから、32.3haが重要伝統的建造物群保存地区に選定されています
代表的なスポット=「日本三奇橋」に数えられる祖谷のかずら橋(西祖谷地区)は、観光客が多く訪れる代表的なスポット
象徴的な建物=宝暦13年(1763年)築、祖谷最大の武家屋敷が武家屋敷喜多家
椎葉村|宮崎県
所在地:宮崎県東臼杵郡椎葉村下福良字
関連する文化財指定:十根川集落(椎葉村十根川重要伝統的建造物群保存地区)
秘境度:★★★
村の96%を山林が占める椎葉村の十根川集落は、標高550m内外の急斜面にへばりつくような山村集落、石垣に囲まれた細長い平家(並列型民家)は、秘境度も満点
九州自動車道人吉ICから80kmほどで、今も陸の孤島的存在
内容:壇ノ浦で敗れた平家一族は、豊後(現・大分県)から阿蘇を越え椎葉の里に逃れたとするのが椎葉村の平家落人伝説ですが、実際には木地師の流れなどと関連するとも推測されます
美しい石垣と伝統的民家が織りなす歴史的景観で知られるのが十根川集落で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定
代表的なスポット=八村杉や大久保のヒノキ(ともに国指定天然記念物)などがあり、フィールドミュージアムのよう
象徴的な建物=江戸時代後期の文政年間(1818年〜1831年)築の鶴富屋敷(那須家住宅)は国の重要文化財
隣接して旅館「鶴富屋敷」が営業し、宿泊料金によっては、重要文化財の鶴富屋敷で食事を味わうプランも用意
日本三大秘境とは!? | |
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