祖谷のかずら橋

徳島県三好市、吉野川の支流、祖谷川(いやがわ)に架かる祖谷のかずら橋は、長さ45m、幅2mのシラクチカズラで作られた吊り橋。山梨県大月市の桂川に架かる猿橋、山口県岩国市の錦川に架かる錦帯橋に並び「日本三奇橋」のひとつ。橋を渡るために訪れる人も多く、橋は一方通行になっており、帰りは下流の永久橋を渡る仕組み。

下手なアトラクションより怖い揺れる吊り橋

かずら橋に使われているシラクチカズラは、標高600m以上の山に自生するマタタビ科の植物。
とても強靱で、腐食しにくのが特長。

かずら橋は3年に一度掛け替えられていますが、足下の横板には間隔があり、下を流れる激流が目に入り、スリル満点。

古くは1646(正保2)年『阿波国図』に最古の記録として祖谷地方の7ヶ所のかずら橋が記録されています。
大正年間にすべてのかずら橋は針金吊り橋に架け替えられましたが、昭和3年、昭和のかずら橋として復活して今に至っています。

『祖谷の粉ひき節』にも歌われる

徳島県民謡の『祖谷の粉ひき節』(いやのこひきうた)にもかずら橋が歌われています。
平家落人が開拓したといわれる祖谷ですが、粟やひえしか栽培できず、さらにはそれを石臼でひくのは大変な重労働でした。
その時に歌われた労働歌が『祖谷の粉ひき節』です。

祖谷の粉ひき節保存会が結成され、『祖谷の粉ひき節日本一大会』も開催されています。
かずら橋を眺める下流側の永久橋には祖谷の粉ひき節の石碑も立っています。

『祖谷の粉ひき節』
祖谷のかずら橋ゃ 蜘蛛の巣の如く
風も吹かんのに ゆらゆらと
吹かんのに 吹かんのに 風も
風も吹かんのに ゆらゆらと

祖谷のかずら橋ゃ ゆらゆらゆれど
主と手を引きゃ こわくない
手を引きゃ 手を引きゃ 主と
主と 手を引きゃ こわくない

かずら橋

かずら橋は、その昔平氏が源氏の追っ手から逃れるために、いざというときには切り落とせるように吊り橋にしていたという説も。
明治44年の『美馬郡郷土誌』には祖谷には善徳橋(善徳)・後田橋(下名)・小祖谷橋(小祖谷)・菅生橋(菅生)・大宮橋(西山)・落合橋(落合)・浦戸橋(若林)・今井橋(今井)の8ヶ所のかずら橋があったと記載されています。
このなかで、現存するのは三好市西祖谷山村善徳に架かる善徳橋(祖谷のかずら橋)と東祖谷菅生に架かる菅生橋(奥祖谷二重かずら橋)の2つ。

祖谷のかずら橋
名称祖谷のかずら橋/いやのかずらばし
所在地徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2
関連HP三好市公式観光サイト
電車・バスでJR大歩危駅から村営バスかずら橋行きで1時間、かずら橋下車、徒歩3分
ドライブで徳島自動車道井川池田ICから約37km
駐車場かずら橋夢舞台駐車場(293台/有料)
問い合わせ三好市観光案内所 TEL:0883-76-0877/FAX:0883-76-0876
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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