大分県宇佐市、日豊本線の宇佐駅。かつて東京と西鹿児島を結んだ最長夜行急行「高千穂」に乗車すると、6時過ぎ、寝起きとともに迎える駅名標が「USA」でした。そんな宇佐市では、ローマ字表記がUSAであることを逆手に取って、観光ボランティアのジャンパーにも「USA staff」と大書! まさに九州のUSAなのです。
アメリカ建国の800年前からUSAだった!

2016年に新調された駅名標ですが、全国の八幡宮の総本社・宇佐神宮の南中楼門がイラストで描かれていますが、遠目で見るとアメリカ国旗に見えるようなデザインになっています。
2008~2009年放送のテレビアニメ『ヤッターマン』の第24話は、「USAの選挙は大接戦だコロン!」。
「ここで豆知識、大分県宇佐市からの輸出品は『made in USA』 のラベルが貼られていたんじゃが、それに対してアメリカからクレームがきただべ。でも宇佐は『日本書紀』にも書かれている由緒正しき地名だと、クレームを突っぱねたんだべ~」と、説明するシーンがあるのです。
かつて宇佐高校野球部は、ユニホームにUSAと大書されていましたが(宇佐市の企業がUSAを使ったという説も)、アメリカ大使館がそれを咎めたところ、宇佐市民から「宇佐はアメリカ建国の800年前からUSAだった」と反論したという都市伝説まで残されています。
宇佐市のローマ字表記は「USA」ですが、アメリカはThe United States of Americaなので正しくは「USA」ではなく、「U.S.A.」ということに。
むしろ正統な「USA」は宇佐ということにもなりますが、アメリカ大使館が「USA」使用を咎めたというのは、テレビアニメ『ヤッターマン』を元ネタとする都市伝説です。
USAでNEW YORK(入浴)

宇佐市はよくある「〇〇へようこそ」という看板に「Thank you for coming USA city」という悪乗りともいえる便乗をしているほどで、とくにアメリカ大使館からもクレームがなかったことがわかります。
さらに宇佐市内の山服には、ロサンゼルスの丘の上にそびえ立つ「HOLLYWOOD」(ハリウッドサイン)を模して「USA」という巨大な看板を掲げる、そして玄関駅のUSA駅の駅名標と、さらに宇佐市の観光ガイド着用の赤いジャンパーの背中に「USA staff」と白抜きで大書と、観光的にも完全に便乗商法を展開しています。
「アメリカ合衆国よりも歴史は古い」(宇佐市役所観光まちづくり課)というように、USAに関しては、むしろこちらが本家本元。
ケンタッキーフライドチキンはケンタッキー州ノースコービンのガソリンスタンドにあった物置を改造した店舗が始まりですが、本家本元のUSA(宇佐)は、唐揚げ専門店発祥の地。
宇佐で名物の唐揚げを購入すれば、まさにMade in USAということに。
宇佐には宇佐神宮のほかに、「宇佐のマチュピチュ」もあり、一度はぜひ訪れたい地。
しかも宇佐市内には温泉も湧き、温泉熱を使ったドジョウの養殖では日本一。
「USAでNEW YORK(入浴)と洒落る人もいます」(宇佐市役所観光まちづくり課)とのことで、「宇佐の湯めぐり」もおすすめです。

| 九州にあるUSA、 宇佐では自慢の唐揚げもmade in USA | |
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