和歌山県紀の川市、紀の川の北岸の灌漑用水である小田井用水(おだいようすい=小田井灌漑用水路)のレンガ造りのアーチ橋が龍之渡井(たつのとい)。小田井用水は、宝永4年(1707年)に築かれた用水で、「世界かんがい施設遺産」にも登録されています。
小田井用水は「世界かんがい施設遺産」にも登録
徳川吉宗の命を受け、大畑才蔵(おおはたさいぞう)が開削した33kmもの用水が小田井用水(小田井灌漑用水路)。
もっとも難工事となったのが穴伏川に架ける龍之渡井。
大畑才蔵が残した『才蔵日記』には、土地の高低差を正確に測量し、それに基づいた工事の指示書が残されています。
水を使って水平を定める手製の水盛台で測量が行なわれ、水平に近い緩勾配の水路が完成したのです。
小田井用水の完成で、1046町歩(1035ha)もの広大な新田が誕生しましたが、それ以降も大切に維持管理が続けられました。
当初は木製の掛樋(かけひ=水路橋)が架けられていましたが、大正8年に現在のレンガ造り・石積みに改修されたもので、国の登録有形文化財、土木学会推奨土木遺産にも認定されています。
水路部のレンガはフランス積みです。
橋のたもとには龍之渡井憩いの広場が配され、案内板が設置され、見学スポットに。
小田井用水は、現在も紀の川右岸に広がる610haの水田地帯に水を供給。
つまりは現役の水路橋として活躍し、龍之渡井も現役です。
小田井用水 龍之渡井 | |
名称 | 小田井用水 龍之渡井/おだいようすい たつのとい |
所在地 | 和歌山県紀の川市西野山・伊都郡かつらぎ町高田 |
電車・バスで | JR西笠田駅から徒歩15分 |
ドライブで | 京奈和自動車道紀の川東ICから約4.5km |
駐車場 | 1台/無料 |
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