珍地名の第5回は、本州ではあまり知られていない北海道と四国の悶絶珍地名です。白人小学校を紹介した北海道ですが、今回は、ヤリキレナイ川。サラダのあった四国からは土居中という変わった地名を紹介。ヤリキレナイ川は、なんと一級河川で、北海道らしいアイヌ語由来の地名です。
(9)ヤリキレナイ川|北海道
開拓時代にしばしば氾濫したことが由来という説も
ヤリキレナイ川/北海道夕張郡由仁町
札幌市と夕張市を結ぶ北海道道3号(札幌夕張線)の長沼町との境界付近を源流に由仁町を流れる一級河川が、ヤリキレナイ川。
アイヌ語のイ・アルケ ・ナイ(i-arke-nay=それの・片割れ部分・川)に由来。
つまり、アイヌはこの川を由仁川の片割れの川と考えていたようです(以前は河口で由仁川に合流していました)。
明治の陸地測量部5万分の1地図で確認すると「ヤリケナイ」と記載され、江戸時代の探検家・松浦武四郎「石狩・テシホ・クスリ外十二所川々取調帳 」には「イヤルキナイ」と記されています。
言葉的には、松浦武四郎がかなり正確な気がしますが、開拓時代にしばしば氾濫したため、悲嘆した住民が「イヤルキナイ」をもじってそう呼び始めたともいわれています。
アイヌ語地名ではかつてピップエレキバンのCMで比布駅が登場して話題になったこともありますが、なかなかユニークな地名が数あります。
(10)土居中|愛媛県
土居中集会所もありますが、意外に町の中です
土居中/愛媛県宇和島市三間町土居中
もともとは土居中村(どいなかむら)で、慶安元年(1648年)の『伊予国知行高郷村数帳』にも「土居中村 岩山川有、村下ヲ流レ井手不被上、日損所」と記されていました。
町政などを経て三間町土居中に。
もともとは戦国武将の土居清良に由来するといわれますが、土居姓自体が、武士や土豪の屋敷のこと。
土を盛った土塁などを築いたことに由来し、土肥、戸井なども同じ。
土居の内側が堀之内です。
龍泉寺には土居清良廟があり、宇和島市の文化財に指定されています。
大森城主、土居家13代の土居清良は大森城から隠居地として土居中村の垣内に草庵を結び、悠々自適の歳月を送ったとのこと。
字名は土居中ですが、宇和島バスのバス停は、土居仲バス停。
土居中集会所もありますが、松山自動車道・三間ICの開通もあって、ど田舎ではありません。
取材班が選んだ珍地名(5)ヤリキレナイ川&土居中 | |
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