『座頭市』は実在し、ルーツもある!

「するってえとなにかい、あっしをお切りなさるっていうのかい?」コレ、座頭市が憎き相手を返り討ちにする直前の決めぜりふ。映画の『座頭市』は勝新太郎のはまり役。 『座頭市』といえば勝新、勝新といえば『座頭市』です。その座頭市が実在したという話です。

映画&テレビの『座頭市』には原作がある

そんな『座頭市』に、「発祥の地」があることをご存じだろうか?
『座頭市』は、作家・子母澤寛(しもざわかん)の『ふところ手帖』が始まり。
子母澤寛は明治大学卒業後、新聞社に勤め「新選組三部作」で作家デビュー。
戦後まもない昭和23年、雑誌『小説と読物』に連載された『ふところ手帖』の1篇『座頭市物語』が原作。

子母澤寛は、房総を代表する侠客、飯岡助五郎(いいおかすけごろう)の取材をするが、その際に盲目の侠客・座頭の市の話を聞き、『座頭市物語』に記したのです。
余談ですが、座頭とは江戸時代の視覚障害者の階級のこと。
「天保の頃、下総飯岡の石渡助五郎(飯岡助五郎)のところに座頭市という盲目の子分がいた」
「何処の生れか、どんな素姓の奴かわからないが、とにかく按摩で関八州を股にかけて渡った者で、みんな見た通りに座頭座頭といったが、市という名も市太郎か市五郎か、それとも出鱈目か、わからなかった。」
これが、『座頭市』のデビュー。

中公文庫版でたった9ページの短編小説にすぎない原作版『座頭市物語』ですが、なんと映画26作品、テレビシリーズ4作・合計100話にもなるという大発展を遂げます。
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座頭市は実在した!?

ちょっとした取材メモが、稀代の時代劇スターを生み出すのは珍しいことだと思います。
新聞記者のするどい直感があったのでしょう。また、作者の子母澤寛の祖父が明治維新で北海道に渡った士族で、任侠風の人柄だったとか背景はいろいろ想像もできます。
飯岡で伝承される座頭市の話、本当に実在したのでしょうか?

「会津若松市の浄光寺というお寺に座頭市の墓が実際にありますから、実在したのは事実でしょう」(旭市の観光関係者の話)。

えっ!? 墓がある?

井上定光寺というお寺がそれで、北野たけし監督・主演の『座頭市』がヒットして以来、『座頭市』ファン注目の寺になったとのこと。
本名は、阿部常衛門。越後長岡藩主牧野家の武士で、青年時代に眼病を患い失明。
年老いてから飯岡に出向いたようで、嘉永2年(1849年)11月没と、没年まで判明しているのです。

「物語の舞台である川端町の、サラサラ流れる綺麗な小川周辺も、往時を偲ばせる風景として残るところ」(座頭市物語の碑建立委員会)
ということで、平成22年に旭市飯岡につくられたのが、座頭市発祥の地碑。
碑の除幕式から1週間後には映画『座頭市 THE LAST』(香取慎吾主演)が公開されるというタイミング。
勝新世代だけじゃなく、SMAP世代の『座頭市』ファンを呼び込もうというわけです。
「いいおか潮騒ホテル」の入口にその発祥の碑は立っています。
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座頭市物語発祥の地

2018.07.23

 

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