火山調査委員会が「国内8活火山」、噴火の危険性を評価

政府の火山調査委員会は、2024年9月25日(水)国内111の活火山に対する現状評価を行ない、御嶽山など8火山を今後重点的に現状評価していくことを決定。2025年2月17日(月)、『第4回火山調査委員会』を開催し、国内8活火山の噴火の危険性などを評価しました。

焼岳がもし噴火したなら「山頂周辺での水蒸気噴火の可能性」

北アルプス・焼岳
噴気の上がる北アルプス・焼岳

火山調査委員会は2024年4月に発足した火山調査研究推進本部(火山本部)の下部組織で、火山本部の評価は、政府の統一見解として関係省庁や全国の自治体が防災対応の参考にしてもらおうと、開催ごとに発表されています。

重点評価して活火山は岩手山(岩手県)、八幡平(岩手県・秋田県)、硫黄島(東京都)、焼岳(長野県・岐阜県)、桜島(鹿児島県)、薩摩硫黄島(鹿児島県)、口永良部島(鹿児島県)、諏訪之瀬島(鹿児島県)。

重点評価の対象となった火山は直近1年に噴火した火山のほか、「2024年初めごろから地殻変動や地震活動が活発になっている」岩手山、「2020年ごろから見られる膨張性の地殻変動は鈍化しつつ続いている」八幡平など、活動に変化が見られ推移の評価が必要だったり、変化が見られるものの調査研究が不十分だったりする火山です。

火山調査研究推進本部の『第4回火山調査委員会』では、日本の火山の最新の調査研究結果が報告され、今後の火山活動の予測などが話し合われました。

今回はおもに事務局側の火山の評価案の提示ですが、注目の火山は、気象庁、地元自治体も火山活動に注視する岩手山(岩手県)、焼岳(長野県・岐阜県)、そしてマグマが蓄積されつつある桜島(鹿児島県)。

岩手山は、東岩手山でのマグマ噴火が直ちに発生する可能性は低い一方「西岩手カルデラで小規模な水蒸気噴火などが発生する可能性はある」と評価。
焼岳は「当面考えられる噴火は山頂周辺での水蒸気噴火の可能性が高い」としています。

桜島は、「大規模噴火へと直ちに移行する兆候は認められない」としつつ、「大量に蓄積したマグマの移動の仕方次第では、将来的に火砕流などのほか大地震や海底噴火、津波も想定される」として、さらなる監視が必要と警戒を呼びかけています。

今後、さらに火山調査委員会で議論し、評価結果を取りまとめる方針。
今後の調査、研究を通じ、将来的な噴火予測の精度向上につなげるとのことです。

岩手山
岩手山も監視対象のひとつ
火山調査委員会が「国内8活火山」、噴火の危険性を評価
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桜島に噴火の危険が!? 大正大噴火直前の9割近くまでマグマがたまっている!

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