愛媛県松山市にある円明寺(えんみょうじ)は、聖武天皇の勅願により行基が開基したと伝わる真言宗豊山派の寺。四国八十八ヶ所霊場第53番札所で、本尊は阿弥陀如来。創建当時は海岸にあり、海岸山圓明密寺と称していたとのこと。後に空海(弘法大師)が荒廃した諸堂を整備し、霊場の札所として再興しています。
キリシタン灯籠と躍動感あふれる龍の彫り物は必見
鎌倉時代に度重なる兵火で衰退しますが、元和年間(1615年〜1624年)、豪族・須賀重久によって現在地に移され、寛永13年(1636年)に仁和寺の末寺として再興しています。
大師堂の脇にはマリア像らしきものが浮き彫りにされたキリシタン灯籠もあり、禁教時代の隠れキリシタンの信仰したものだと推測されています。
大正時代にアメリカ人巡礼者(シカゴ大学・スタール博士)によって発見された銅製の納め札は、江戸時代初期、慶安3年(1650年)の銘があり、「遍路」の文字が記されている最古の納札。
それ以前は辺路修行を意味する「辺路」を用いており、弘法大師の霊跡をたどる遍路という巡礼の旅が、江戸時代初期に始まっていたことの証にもなっています。
奉納者の樋口平人家次は、伊勢国(三重県)の出身で、寛永18年(1641年)に京の五智山蓮華寺の伽藍を再興しています。
本堂の右上、鴨居に施された長さ4mもの龍の彫り物は、左甚五郎作の龍と伝えられ、行ない悪い人が見ると目が光るとも。
四国八十八ヶ所霊場間の距離・時間
52番札所・太山寺(愛媛県松山市太山寺町1730) — (2km/10分) — 53番札所・円明寺(愛媛県松山市和気町1-182) — (38km/1時間) — 54番札所・延命寺(愛媛県今治市阿方甲636)
円明寺(四国八十八ヶ所霊場第53番札所) | |
名称 | 円明寺(四国八十八ヶ所霊場第53番札所)/えんみょうじ |
所在地 | 愛媛県松山市和気町1-182 |
関連HP | 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ |
電車・バスで | JR和気駅から徒歩3分 |
ドライブで | 松山自動車道松山ICから約14.4km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | 円明寺 TEL:089-978-1129 |
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