新城市(しんしろし)を流れる阿寺川(あてらがわ)に懸かる滝が阿寺の七滝(あてらのななたき)。七滝といわれても7つの滝があるわけではなく、礫岩(れきがん)の断層にかかる7段の滝が阿寺の七滝。阿寺の七滝は、国の名勝、天然記念物に指定され、「日本の滝百選」にも選定されています。
中央構造線に懸かる滝は、国の天然記念物に
巣山礫岩層(阿寺七滝礫岩層)を走る断層によって生まれた階段状の滝が、阿寺の七滝。
下から順に1段目の滝9m、2段目13m、3段目7m、4段目25m、5段目2m、6段目4m、最上段は2mと合計62mもの落差があります。
愛知県の滝で「日本の滝百選」に選定されているのはここだけ。
国の天然記念物に指定される最大の理由は、断層(中央構造線)に懸かる滝ということから。
昭和9年の指定です。
2段目、5段目の滝壺には巨大な甌穴(おうけつ)も。
滝壺の凹みに石が入り、水流で回転して周囲を削って誕生したポットホール(pot hole)のこと。
岩の中に小石を含んだ礫岩は子抱石といわれ、持ち帰って祀ると子宝に恵まれるとの伝承があって神聖視されています。
平安時代の陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明(あべのせいめい)がこの滝で修行したとの伝承もありますが、残念ながら史料はまったく残されていません。
ただ、滝が平安時代から信仰の対象だったと推測されています。
毎年7月最終日曜には『阿寺の七滝まつり』が開催され、ニジマス釣りやつかみどりなどが行なわれています。
愛知県に残る安倍晴明伝承
生誕地は摂津国阿倍野(現・大阪市阿倍野区)で、京に屋敷を構えているので、あくまで伝承と考えられます。
同じ愛知県では、尾張国狩津荘上野邑に暮らし(『千種区の歴史』)、毒蛇退治をしたという伝承があり、跡地に江戸時代になって名古屋晴明神社(愛知県名古屋市千種区清明山1-6)が創建されています。
同じ愛知県では、尾張国狩津荘上野邑に暮らし(『千種区の歴史』)、毒蛇退治をしたという伝承があり、跡地に江戸時代になって名古屋晴明神社(愛知県名古屋市千種区清明山1-6)が創建されています。
987(寛和3)年の政変で、花山天皇退位事件で京を追われたとされていますが、これもあくまで伝承で、歴史的な裏付けがありません。
阿寺の七滝 | |
名称 | 阿寺の七滝/あてらのななたき Atera-no-Nana-taki Falls |
所在地 | 愛知県新城市下吉田沢谷 |
関連HP | 新城市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR飯田線三河大野駅から新城Sバス秋葉七滝線で七滝口下車、徒歩15分 |
ドライブで | 新東名高速道路新城ICから約14km。駐車場から徒歩15分 |
駐車場 | 150台/有料 |
問い合わせ | 新城市観光協会 TEL:0536-32-0022 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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