清寿院の柳下水

清寿院の柳下水

愛知県名古屋市中区大須の大須観音通り商店街にあるかつての「名古屋三名水」に数えられた井戸の跡が柳下水の井戸。尾張名古屋の三名水は亀尾志水(亀尾の清水/東区白壁2丁目七尾天神社)と蒲焼町の風呂屋の井戸(扇風呂の井水/中区錦3-13-22いば昇)とここ清寿院の柳下水(せいじゅいんのりゅうかすい)といわれています。

名古屋三名水のひとつが大須観音通り

尾張藩士・高力種信(高力猿猴庵)の『尾張名陽図会』には文化・文政前後の尾張名古屋の情景が詳細に記されていますが、そのなかで、「名古屋の三名水」として、亀尾の志水、風呂屋の井戸、清寿院の井戸(清寿院の柳下水)が選ばれています。

清寿院の井戸(清寿院の柳下水)は化粧水にも最適で、名古屋城中からも女中達が汲みに来たという名水。
清寿院は修験道当山派の寺で、富士山観音寺とも称しましたが、寛文7年(1667年)、藩命により清寿院と改めています。
明治初年の廃仏毀釈で廃寺となり、現在は鎮守社の富士浅間神社のみが残されています。
当時、境内では芝居、見世物小屋なども出て大いに賑わったと伝えられています。

柳下水は清寿院の中門前にあり、将軍家上洛のときには、 その飲用水として用いられたもの。
現在は大須観音通り商店街の一角のお洒落なカフェ「シャポーブラン 大須本店」(令和2年3月閉店)の店横の一角に井戸が残されています。

大須観音通りはかつての浅間通り。
柳下水の井戸(清寿院の井戸)のある場所も戦前は太陽館という映画館が建っていました。
明治43年に鶴舞公園で開かれた共進会を契機として明治45年に開かれた古い映画館です(昭和初期、大須には23館もの映画館が存在)。
その太陽館も昭和60年に閉館しています。

清寿院の柳下水
名称 清寿院の柳下水/せいじゅいんのりゅうかすい
所在地 愛知県名古屋市中区大須2-16-26地先
電車・バスで 地下鉄鶴舞線大須観音駅から徒歩5分
ドライブで 名古屋高速2号東山線白川出口から約1km。または、名古屋高速都心環状線東別院出口から約1.5km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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