「幻の駅」と称される秋田港駅、廃止に!

秋田港駅

旅客営業は、クルーズ船が秋田港に寄港した際、「秋田港クルーズ列車」運転時のみという秋田港駅(秋田県秋田市)。「幻の駅」とも称されていますが、保有するのはJR貨物で、貨物輸送には活躍してきました。そのJR貨物は2025年12月22日(月)、土崎駅〜秋田港駅間(奥羽線の支線)を2026年7月に廃止すると発表しました。

「秋田港クルーズ列車」が発着するだけの「幻の駅」

秋田港線

秋田港駅は奥羽線の支線ですが、もともとは、日本海側屈指の貿易港で、フェリーも接岸する秋田港の貨物輸送を担った秋田臨海鉄道線の接続駅。
秋田港駅〜秋田北港駅、秋田港駅〜向浜駅を結ぶ秋田臨海鉄道線は、秋田港駅で奥羽線に乗り入れ、化学薬品や紙製品などを中心に貨物輸送を行なっていました。

その秋田臨海鉄道線は、トラック輸送への転換で、2021年3月に定期貨物列車の運行を終了し、2022年4月に鉄道事業を廃止。
その一方で、秋田港に寄港するクルーズ客船の乗客輸送のため、2017年8月からJR東日本によって「秋田港クルーズ列車」が運転されるようになっていて、クルーズ船の乗客以外は乗車できないため、まさに「幻の駅」となっていたのです。

国内クルーズの船にわざわざ乗船して、乗車するというツワモノの乗り鉄もいましたが、沿線には撮り鉄も集合、話題を集めたこともありました。
そのJR東日本も「秋田港クルーズ列車」の運行を2025年度をもって終了するため、ついに土崎駅で分岐し秋田港駅へと続く支線もお役御免となったのです。

JR貨物は「旅客列車の運行が終了すること、また、引き続き貨物列車の運行に見合う需要が見込めないこと」を理由に、2025年12月22日(月)、国土交通省に対し秋田港線(1.8km)の第1種鉄道事業廃止の届出を行なったということです。

秋田港駅
秋田臨海鉄道線が貨物輸送を実施していた時代
「幻の駅」と称される秋田港駅、廃止に!
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