神が立つ山、立山。立山には、日本アルプスの雷鳥(約3000羽)の1割にあたる300羽もの雷鳥が生息しています。まさに「神の鳥」と崇められてきた雷鳥ですが、立山黒部アルペンルートの最高所、室堂平(標高2450m)のハイマツ帯は、その中心的な生息エリアになっています。残雪期の4月〜6月なら、雷鳥に出会うチャンスが大!
春にはオスがメスを呼ぶ求愛行動も
なぜ、4月〜6月に雷鳥の遭遇率が高いのかといえば、ズバリ「雪をバックに見つけやすく、ペアリングの時季なのでクゥクゥーとオスがメスを呼ぶ声が聞えるので、居場所を特定しやすい」(室堂平の山小屋関係者の話)から。
「みくりが池温泉」周辺は、毎年同じ顔ぶれのオスの雷鳥が縄張りを持ち、冬の間、弥陀ヶ原などに下っていたメスたちも、立山黒部アルペンルートが全通する4月15日頃には、ペアリングのため、室堂へと上ってきます。
開通直後からゴールデンウィーク頃の雷鳥は、真っ白なのがメス、少し夏毛が交じるのがオスです。
室堂では、「みくりが池温泉」周辺のハイマツ帯(「みくりが池温泉」テラス直下など)、ミドリガ池横の尾根筋のハイマツ帯、「ホテル立山」横から天狗平へと下る歩道(立山登山道=立山禅定道)脇のハイマツ帯、室堂山などでよく見かけます。
夏なら霧の日、そして朝夕が狙い目
高山植物咲く7月〜8月には、雛(ヒナ)を連れた親子連れの姿を観察できます。
雷鳥は天敵が多いので(高山の生態系ではもっとも弱い存在)、夏場は朝夕か霧の日しか姿を見せません。
ですから、室堂の「ホテル立山」、「みくりが池温泉」、「立山室堂山荘」など周辺の山小屋に泊まって、日の出直後や、日没直前に探すのが狙い目です。
しかも2泊すれば、ほぼ確実に遭遇できるはず。
ちなみに、日本アルプスに生息する雷鳥は、2万年前の氷河期、日本と陸続きだった大陸の北方から本州まで南下。
その後、氷河期の終焉とともに高山へと生息域を移動させ、生き延びているのです。
国の特別天然記念物に指定されるニホンライチョウ(Lagopus mutus japonicus)ですが、北半球にのみ生息する雷鳥の南限となっています。
雷鳥生息Map | |
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取材協力/富山県観光振興室、立山黒部貫光、ホテル立山、みくりが池温泉
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