熊の生息数が多い県はどこ!?、ツキノワグマ出没の多い県は東北に!

環境省の調査によれば、クマ類(ヒグマ、ツキノワグマ)は、地域によって個体数や分布の状況が大きく異なり、九州は絶滅、四国は個体数20頭程度と絶滅寸前ですが、中国地方、近畿地方は激増していることが判明しています。熊の出没が多い県、熊被害の多い要注意の県はどこでしょう?

ツキノワグマの出没数1位は、岩手県

ヒグマ
知床のヒグマ

例年6月、10月にクマの出没のピークを迎えますが、2023年度は9月以降にツキノワグマの出没件数が増加し、10月の出没件数は過去最多を記録しています。
2024年も紅葉シーズンの秋に向かって観光地でも注意が必要です。

2023年、ヒグマに襲われ9人が死傷した北海道は、ヒグマの推定生息数が30年前と比べて2.3倍という1万2175頭。
増加傾向にあるのは渡島半島、積丹半島・天塩・増毛、日高山系です。
逆に知床、阿寒など道東や道北・宗谷などでは生息数は横ばいか減少傾向となっていて、意外な気もします。
ヒグマの出没数は市町村別のカウントはありますが、当然カウントされていない数も膨大で、全道的な正確な集計はありません。

本州のツキノワグマ生息数は、4000頭以上と推測されるのは、秋田県(4400頭)、福島県(5600頭)、長野県(4000頭)、岐阜県(4150頭)、2000頭以上4000頭未満が、岩手県(3400頭)、宮城県(3150頭)、山形県(2200頭)、新潟県(2000頭)、群馬県(2000頭)です。

2023年度、実際にツキノワグマの出没数は、東北が約6割(1万1163件)を占め、とくに岩手県(5158件)、秋田県(3000件)の2県で全体の4割を占め(宮城県、山形県、福島県合計3005件)、北陸(2219件)、中部(2027件)を圧倒しています。

ツキノワグマの生息数は福島県、秋田県、岐阜県がTOP3ですが、出没数は意外にも岩手県がダントツということに。

ツキノワグマ
ツキノワグマ

東北、関東、北陸を中心に10月は要注意のシーズン

出没数の増加、つまりは遭遇の危険度が高まるのは、繁殖期の6月~8月と、ドングリ類(ブナ、ミズナラ、コナラ)などの実る10月。
秋は凍眠を控えての食いだめ期で、山から離れた市街地でクマが目撃されること増えているのもドングリが実ることに関連しています。
実際に、2023年度は東北、関東、北陸地方で10月の出没数が増加する傾向にありました。

食べ物への執着がとても強く、学習能力も高いため、一度美味しい食べ物の存在を覚えると、そこに繰り返し出没することになり、とくに日の出や日没頃の薄暗い時間帯は遭遇の危険度が高まります。

出没数の増加は、人身被害につながりますが、2023年の東北地方は、ブナが大凶作だったこともあり、遭遇率の上昇につながっています。
ブナ林の面積は日本の自然林総面積の17%を占めていますが、猛暑の年はブナもナラも凶作の傾向にあるため(猛暑で水が不足するとブナは自衛手段として葉を落とし、花がつかなくなります)、温暖化や猛暑は熊の出没増加につながっています(新潟県も猛暑の2023年9月、「人身被害が過去最多だった年と同じような条件が揃っていて、被害の拡大が懸念される」として『クマ出没警戒警報』を出しています)。

2024年も2023年以上の猛暑なので、10月のクマの出没増加が大いに懸念されるところです。

熊の生息数が多い県はどこ!?、ツキノワグマ出没の多い県は東北に!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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