日本のダムのうち、堆砂率TOP3は、千頭ダム(静岡県、大井川水系寸又川、中部電力)、小屋平ダム(富山県、黒部川本流、関西電力)、そして3位が山形県鶴岡市を流れる赤川水系梵字川を堰き止めた梵字川ダム。平成12年の国土交通省調べで、堆砂率94.5%となっているのです。
94.5%埋まっていても発電には支障なし!?

梵字川ダムは、昭和8年、梵字川渓谷を堰き止めて築かれた発電用のダム。
堤高40.9m、堤頂長62.4mの重力式コンクリートダムで、現役で発電に利用され、東北電力が管理しています。
周辺は梵字川渓谷と称される美しい渓谷で、上流側には治水と利水を併せ持つ月山ダム、ダム湖のあさひ月山湖があります。
朝日連峰を源にする赤川は、戦国時代から洪水被害と治水対策の繰り返しに悩まされてきた河川で、抜本的な治水対策として築かれたのが月山ダムです。
月山ダム、梵字川ダム横には国道112号が通っていますが、梵字川ダム横は大網トンネルで抜けているので、国道からはダムの状況を目にすることはできません。
堆砂率の高いダムのTOP10は、実はすべて発電用ダム。
ダム湖(貯水池)が埋まっても、発電用の水が確保できる調整池が機能しているのなら、発電用には問題がないのです。
発電に必要なのは水車を回す落差なので、電力会社が管理するダムに関しては、調整池が機能する限りは現役で使用できるということに。
ダム湖に土砂が溜まることで河床上昇による上流側の洪水時の浸水被害増大が問題となりますが、梵字川ダムの上流側には月山ダムがあることで、とくにこの点も問題ありません。
むしろ、河口部への土砂供給減少による河床低下、海岸浸食などは懸念されます。
ではダムは土砂によって完全に埋まることがあるのかといえば、流れ込む土砂と、越水して流出する土砂が均衡すれば、それ以上の堆積はなくなることに。
堆砂率94.5%、ほとんど埋まった梵字川ダム、それでも「問題ない」理由とは!? | |
名称 | 梵字川ダム/ぼんじがわだむ |
所在地 | 山形県鶴岡市上名川 |
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