南房総・千倉(千葉県南房総市千倉)の名物が、クジラのタレ。クジラの赤身を醤油や塩がベースの「タレ」に一晩漬け込み、天日で干した製品で、いわばクジラの味付き干物といったところ。江戸時代から続く保存食で、「さっと火を通せば、酒の肴、ご飯のともに最高!」と地元の人も太鼓判を押します。
房総の捕鯨の歴史を今に伝えるクジラのタレ
白子漁港に近い国道410号・フラワーライン沿いにあるハクダイ食品の直売店では、「さば塩麹漬け」、「さば文化干し」、「房州あわび磯煮」、「金目鯛漬魚詰合せ」、「てっぱつアジフライ」など自社製造の干物や塩辛、海藻、地元で揚がる鮮魚やサザエ、アワビ、イセエビなども販売。
また、道の駅「潮風王国」内には「市場食堂せん政水産」も開いているので、「くじら竜田揚げ定食」など、くじら料理を味わいたい場合は、「市場食堂せん政水産」へ。
千倉周辺では、クジラは貴重な糧でもあり、霊獣とされていました。
ツチクジラ、ゴンドウクジラ、ミンククジラ、イルカが水揚げされましたがクジラを捕獲した時、鯨は神から授かった大切な恩恵であると、住民に分け与えられたのです。
江戸時代から明治・大正時代のクジラの需要は、灯火や石鹸などに利用される鯨油が主体で、鯨肉は魚屋の店頭で売られ、地元で消費されていました。
そんな貴重なクジラの肉の保存法がタレということに。
南房総のクジラ漁の歴史
房州のクジラ漁は、現在の鋸南町で醍醐新兵衛定明(鋸南町の大黒山に墓があります)が大組・新組・岩井袋組という鯨組の船団(57艘)を組織化し、江戸湾でツチクジラを捕獲したのが始まり。
その後、安房にも捕鯨が伝わりましたが、外洋の安房では網ではなく、突取り法で捕鯨が行なわれました。
安房郡乙浜村(現・南房総市白浜町乙浜)には東海漁業のクジラの解体場があり、戦後も昭和44年まで沿海で捕鯨が行なわれていました。
千倉の長性寺にはクジラの心臓が埋葬された鯨塚も立っています。
現在房総で捕鯨を行なっているのは、千葉県南房総市和田町の外房捕鯨(和田漁港に調査捕鯨基地があります)で、対象となるクジラはツチクジラで、日本の捕鯨の歴史を伝えています。
ハクダイ食品 | |
名称 | ハクダイ食品/はくだいしょくひん |
所在地 | 千葉県南房総市千倉町白子1539 |
関連HP | ハクダイ食品公式ホームページ |
電車・バスで | JR千倉駅からタクシーで5分 |
ドライブで | 富津館山道路富浦ICから約19km |
駐車場 | 10台/無料 |
問い合わせ | ハクダイ食品 TEL:0470-44-3608/FAX:0470-44-4880 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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