富津岬先端の「明治百年記念展望塔」のモチーフは!?

明治百年記念展望塔

東京湾の入口、富津岬先端(千葉県富津市)にある「明治百年記念展望塔」は、「関東の富士見百景」にも選ばれた絶景の地。晴れていれば東京湾越しに富士山を眺望します。「明治百年記念展望塔」は、 砂州の先端に文字通りの「砂上の楼閣」のように築かれています。

展望台のモチーフは、なぜか五葉松

「富津岬は、都心に最も近い南房総国定公園です。太平洋戦争まで要塞地帯で民間人は立入禁止となっていたため。手つかずの自然が残されています」(富津市観光協会)。
富津岬の海岸部は千葉県の指定天然記念物の富津洲海浜植物群落地に指定されているのだとか。

そんな富津岬先端の「砂上の楼閣」は、昭和46年建設。最上階の高さはなんと21.8mもあります。
その「明治百年記念展望塔」、モチーフにしたのが盆栽などに使われる五葉松。
たしかに富津岬には戦後、防風林としてせっせと松が植栽されていますが、樹種は五葉松ではありません。
五葉松は寒冷地の松で、北日本と北海道に生えるもの。

温暖な千葉県には似つかない木なのです。

五葉松
モチーフとなった五葉松。階段状の枝振りが似ているといえば似ていますが・・・

「関東の富士見百景」選定の富士ビュースポット

それでも東京湾に突き出した岬の先端に建つ地上21.8mの楼閣は、展望台としての機能はバッチリ。
東京湾要塞として築かれた人工島の第一海堡(かいほ)、第二海堡を眼前に、対岸の三浦半島上に富士山を眺望します。

明治百年記念展望塔
第一海堡(右側の島)、第二海堡(左奥の島)の間に富士山を眺望。
よく見れば横須賀沖の猿島(東京湾唯一の自然島)も
明治百年記念展望塔の眺望
展望塔からの内陸側の眺め。外洋側(右側)の海岸には砂州が削られるのを防ぐためにテトラポットが積まれています
明治百年記念展望塔
海上から眺めた富津岬「明治百年記念展望塔」。まさに砂上の楼閣!

※明治百年記念展望塔は、2022年11月中旬〜2023年3月末日まで補修工事のため、立入禁止。

明治百年記念展望塔
名称 明治百年記念展望塔/めいじひゃくねんきねんてんぼうとう
所在地 千葉県富津市富津2280
関連HP 千葉県立富津公園公式ホームページ
電車・バスで JR内房線青堀駅から富津公園行バスで終点下車、徒歩20分
ドライブで 館山自動車道木更津南ICから約12km。または、東京湾フェリー金谷港から約26km
駐車場 100台/無料
問い合わせ 富津公園管理事務所 TEL:0439-87-8887/FAX:0439-87-5647
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

富津岬展望台(明治百年記念展望塔)

東京湾に向かって、鶴のくちばしのように突き出した約5kmの砂嘴(さし)。南房総国定公園の一部で、わずか7km先の対岸に、三浦半島の観音崎を見渡せます。その観音崎と同様、幕末の1810(文化7)年には現在の県立富津公園の中の島公園展望塔の場所

東京湾第一海堡と富士山

東京湾要塞化は「第一海堡」から始まった!

明治20年代に山縣有朋(やまがたありとも)らによる本土要塞化の一環で、東京湾の要塞化が図られました。最初に築かれたのが、富津岬の根元の砲台(富津元洲堡塁砲台)と、富津岬沖(約1kmほど沖)の第一海堡(だいいちかいほ/だいいちかいほう)です。

 

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