モーターで動く「電車」なのに架線がない!? そんな路線が増えている

これまで電化されていたのに、あえて架線を取り外し非電化の区間にするケースが増えています。磐越西線の会津若松駅〜喜多方駅、奥羽本線の新庄駅〜院内駅、長崎本線の肥前浜駅〜長崎駅は、わざわざ非電化に戻しているのです。そんな非電化区間にも、なぜか「電車」の姿が! JRの最新事情を紹介します。

電車、「電気式気動車」、「蓄電池式電車」と多様化!

JR九州YC1系気動車
蓄電池も搭載のJR九州YC1系気動車

電化が完成した際には、念願、宿願などといわれ、SLやディゼルカーから電車に代わるとスピードアップも実現しました。
それでも電化は、架線などの維持管理に費用がかかり、赤字ローカル線ではここがネックとなります。

長崎本線の肥前浜駅〜長崎駅は、西九州新幹線の開業で、特急の運転がなくなり、一気にローカル線化したため、江北駅〜諫早駅は佐賀、長崎両県が設立した「佐賀・長崎鉄道管理センター」が鉄道施設を保有し、運行をJR九州が担うという上下分離方式で存続を図りました。
鉄道施設を維持するには電化よりも非電化のほうが経費が抑えられることから、あえて非電化に戻したのです。

磐越西線の会津若松駅〜喜多方駅、奥羽本線の新庄駅〜院内駅で活躍するのは、JR東日本GV-E400系気動車。
「GV」は「Generating Vehicle」の略で、いわば「電気式気動車」。
ディーゼルエンジンの動力で発電した電力でモーターを回すという「ディーゼル・エレクトリック方式」の車両で、電車と異なる点は架線から電気を供給しない点です。

JR九州の肥前浜駅〜長崎駅で運用されるのは、JR九州YC1系気動車。
「やさしくて力持ちの鉄道車両」をPRするJR九州のハイブリット車両で、YCというのもなんとYasashikute Chikaramochiの略ということに。
この車両は、「ディーゼル・エレクトリック方式」をさらに進化させて、蓄電池を搭載。
発電機で得た電力の一部(余剰電力)や回生ブレーキで発生した電力を屋根の上の蓄電池に貯めておくという省エネタイプで、今後、蓄電池の性能が向上すれば、架線がなくても電車(蓄電池式電車)が走るというスタイルが増えていくことが想定されます。

すでに烏山線にJR東日本EV-E301系電車(直流用蓄電池駆動電車)、男鹿線には、JR東日本EV-E801系電車(交流用一般形蓄電池駆動電車)が投入され、電化区間から非電化区間への乗り入れなどで活躍しています。

電車の定義は、「電気でモーターを回転させることによって、自走できる車両」なので、狭義の電車にはあてはまりません。
蓄電池式電車は電車といえますが、ディーゼルエンジンで発電する場合は、電気式気動車で分類的にはディゼルカーの仲間に。
それでも架線がないだけで、モーターで動く点は電車と同じです。

R東日本GV-E400系気動車(電気式気動車)
JR東日本EV-E301系電車(直流用蓄電池駆動電車)
モーターで動く「電車」なのに架線がない!? そんな路線が増えている
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