伊能忠敬旧宅

伊能忠敬旧宅

現在の測定値と比べても驚異的な正確さを誇る、わが国初の全図『大日本沿海輿地全図』(だいにほんえんかいよちぜんず)。製作者の伊能忠敬(いのうただたか)は、17歳のとき佐原の酒造家・伊能家の婿養子に入り、50歳で隠居し江戸へ出ています。千葉県香取市の佐原には伊能忠敬旧宅があります。

母屋は伊能忠敬自らの設計!

伊能忠敬旧宅

伊能家は、旧佐原村本宿(ほんじゅく)組の名主を務め、酒造業や米穀売買などを家業としていました。
伊能忠敬は、延享2年(1745年)1月11日、上総国山辺郡小関村(現・千葉県山武郡九十九里町小関)の名主・小関五郎左衛門の末っ子として生誕。
宝暦12年(1762年)12月8日に伊能家の娘・ミチと結婚し、伊能家に婿入しています。

利根川舟運の中継基地として反映する佐原で酒、醤油の醸造、貸金業を営みながら名主としても頭角を現します。

寛政7年(1795年)、50歳で隠居した忠敬は、江戸に出て高橋至時の弟子となって初めて測地、暦法を学びます。
高橋至時は、蝦夷地の正確な地図をつくることを幕府に願い出て、弟子の伊能忠敬が蝦夷地の測量に旅立ったのです。

こうして伊能忠敬は、55歳になった寛政12年(1800年)から71歳になる文化13年(1816年)の間、10回にわたって全国測量の旅に出ています。

小江戸と呼ばれる佐原を流れる小野川の河畔には、伊能忠敬が暮らした伊能家の母屋と店舗が残り、川向いに忠敬が使用した測量図や道具、日記などを展示する記念館が建っています。

店舗と正門は忠敬が婿養子に入る以前に建てられたものですが、母屋は寛政5年(1793)に伊能忠敬自らの設計で建築しています。
伊能忠敬旧宅に残される店舗・正門・書院・土蔵は国の史跡になっています。

敷地内には、江戸時代につくられた農業用水路も残り、その水がジャージャーと音を立てて小野川に流れ落ちたため、川に架かる樋橋はジャージャー橋と通称されています。
伊能忠敬の墓は、伊能家の菩提寺でもあり、「関東三大厄除大師」ともいわれる観福寺にあります。

伊能忠敬旧宅は、日本遺産「北総四都市江戸紀行 ~江戸を感じる北総の町並み~」の構成資産にもなっています(北総四都市=佐倉、成田、佐原、銚子)。

伊能忠敬旧宅
名称伊能忠敬旧宅/いのうただたかきゅうたく
Former residence of Inoh Tadataka
所在地千葉県香取市佐原イ1900-1
関連HP香取市公式ホームページ
電車・バスでJR佐原駅から徒歩10分
ドライブで東関東自動車道佐原香取ICから約4.4km
駐車場町並み観光駐車場 (70台/有料)
問い合わせ伊能忠敬記念館 TEL:0478-54-1118/FAX:0478-54-3649
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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