チカモリ遺跡(国の史跡)と聞いてすぐにピンと来る人は、かなりの古代史通。石川県金沢市、手取扇状地の扇端にある縄文時代後期から晩期の集落遺跡。昭和55年の発掘調査で、「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)が出土、話題となった遺跡です。一帯は史跡公園として整備され、環状木柱列も復元されています。
温暖だった北陸の巨木文化が背景に!?
縄文のムラ跡には、ムラのなかを蛇行しながら流れる大溝がありますが、その大溝の近くで発見されたのが、「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)。
直径80cm前後(最大で86cm)のかなり太いクリ材を、半割りした形状で、切断面を外側に向けて並べた、直径7mほどの環状木柱列で、日本最初の出土となりました。
現在では、はっきりと環状木柱列と確認できるのが数例、推定環状木柱列まで含めると20例余りが見つかっていますが、いずれも石川県、富山県など北陸地方。
金沢市埋蔵文化財センター1階にある「金沢縄文ワールド」の常設展示室では環状木柱列が室内復元され、発掘調査で出土した木柱根を間近に見学することができます。
縄文時代には木を伐る金属がないので、石器を使って伐採、分割、加工を行なったと推測できます(金沢市埋蔵文化財センターでは石器を使った検証を行なっています)。
石川県内で環状木柱列が発見されているのは、チカモリ遺跡のほか、真脇遺跡(能登町)、米泉遺跡(金沢市、チカモリ遺跡の東2kmほど)、御経塚遺跡(おきょうづかいせき/野々市市)です。
「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)がどのように使われたのかは、今も謎に包まれています。
古代の北陸は、今よりも温暖だった気候を背景に巨木文化があり、環状列石(ストーンサークル)の石の代わりに巨木を使ったという可能性も。
環状列石(ストーンサークル)よりもはるかに高さが強調されるので、農耕文化への過渡期に何かシンボル的な使われ方をしたのかもしれません。
「謎の環状木柱列」(ウッドサークル)のある遺跡、チカモリ遺跡 | |
所在地 | 石川県金沢市新保本5-47 |
場所 | チカモリ遺跡 |
ドライブで | 北陸自動車道金沢西ICから約1.5km |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |