富山地鉄・鉄道本線&立山線の一部を廃止の可能性が!

富山地方鉄道は、鉄道本線の滑川駅〜新魚津駅、立山線の岩峅寺駅〜立山駅間について、地元行政からの支援を得られなければ2026年秋に廃線にする方針を固めたことを発表、富山県では大きな話題となっています。立山黒部アルペンルートの玄関駅である立山駅までの鉄道がなくなる可能性も。

今年秋までに自治体からの支援方針が固まらなければ廃線

かつては千寿ヶ原と呼ばれた立山駅

立山線の岩峅寺駅(富山県富山市)〜立山駅(立山町)、終点はアルペンルートの玄関口で、立山ケーブルカーに乗り継いで美女平に、さらに高原バスに接続し、最高所の室堂を目指します。
長野県・大町市側と結ぶ立山黒部アルペンルートを通り抜ける多くの旅人の足となっていて、訪日外国人観光客(個人旅行)の利用者も多い路線です。

ただし、アルペンルートの閉ざされる冬場などは利用者が激減し、観光収入があるのも夏場だけ。
しかも地元の利用者も少ない区間で、富山地鉄が公表している2023年度の1日あたり平均乗降客数は、岩峅寺駅320人、横江駅3人、千垣駅17人、有峰口駅18人、本宮駅15人、立山駅471人となっていて、岩峅寺駅と立山駅以外は極端に利用が少ないことが分かります。

富山地鉄によれば立山線で採算が取れる区間は五百石駅までで、譲歩の結果が岩峅寺駅まで存続とのことで、岩峅寺駅〜立山駅は、地元自治体の支援がなければ廃止となる可能性が大。
立山黒部アルペンルート開通時の立山駅への輸送は、バス輸送でというのが富山地鉄の考えです。
逆に、地元の立山町・舟橋町長は、バス運転手の不足や環境への影響軽減などから「バス輸送での代替は厳しい」と主張し、「観光路線として立山までの全線維持」を主張する自治体と、生活路線と考える富山地鉄の溝は深まっています。

奇しくも立山駅は、2025年7月1日に開業70周年。
アルペンルート全通の前年、昭和45年から名鉄名古屋駅から特急「北アルプス号」、国鉄名古屋駅から急行「むろどう号」が立山駅に直通するなど、大阪駅から急行「立山」と直通列車も走るなど、全盛時代がありました。

冬場は旅行者も激減
富山地鉄・鉄道本線&立山線の一部を廃止の可能性が!
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