意外に知らない、中央本線はどこから、どこまで!?

中央本線

「中央本線はどこからどこまででしょう?」という問いに、首都圏の人の答えは意外に、高尾まで、松本までという回答が多い傾向に。高尾というのは中央線快速の終点、松本も特急「あずさ」の終着駅で、中央本線の終点ではありません。ヒントは、「名古屋の人に正解が多い」点です。

正解は東京駅〜名古屋駅の396.9km

中央本線
中央東線・特急「あずさ」

明治22年4月11日、甲武鉄道の新宿駅〜立川駅間開業、8月11日の立川駅〜八王子駅間延伸に始まる歴史ある路線が中央本線。
その意味では、「東京駅〜八王子駅」と答える人がいるのもうなづけます。
この通勤路線が現在のグリーン車連結で話題の中央線快速です。

明治34年に官営鉄道として上野原駅、明治35年に大月駅、明治36年には甲府駅へと山梨県内まで延伸し、甲府盆地のブドウやワインの搬出にも貨車輸送が使われるように。
明治38年には当時養蚕で栄えた長野県岡谷市まで延伸し、生糸の横浜港からの輸出に活用されるようになりました(それまでは霧ヶ峰を越え、信越本線経由で搬出)。

明治39年6月11日には塩尻駅まで延伸していますが、西側の名古屋駅からも同時に塩尻駅を目指して木曽路に鉄道が敷設。
明治33年7月25日、名古屋駅〜多治見駅間が開業、明治35年には中津駅(現・中津川駅)まで延伸し、いよいよ木曽路へと工事が進みます。
明治43年にようやく木曽福島駅まで開業、塩尻駅側からも明治42年にかつての宿場町(奈良井宿)にある奈良井駅まで、明治43年に宮ノ越駅まで南下延伸、明治44年5月1日に最後の宮ノ越駅〜木曽福島駅間が開通し、ついに中央本線が全通しました。

全通前の明治42年10月に出された『明治42年鉄道院告示第54号』で、昌平橋駅(当時の東京側の起点)〜篠ノ井駅間を「中央東線」、名古屋駅〜野尻駅間を「中央西線」として規定されていますが、後に東京駅〜名古屋駅が中央本線となり、東京駅〜塩尻駅が中央東線、名古屋駅〜塩尻駅が中央西線と通称されるようになりました。

東京駅・新宿駅発の特急「あずさ」、名古屋駅発の特急「しなの」が松本駅やそれ以遠まで走っていますが、塩尻駅〜篠ノ井駅は篠ノ井線となります(篠ノ井駅〜長野駅は信越本線)。

東京駅〜名古屋駅はひとつの線ですが、直通する列車は東海道線の速達性には叶わないため、走っていません。
しかも現在は中央東線・篠ノ井線がJR東日本、中央西線がJR東海と別会社になっています。

東海道本線で東京駅〜名古屋駅は366.0km、中央本線は中央東線(東京駅〜塩尻駅)222.1km、中央西線(名古屋駅〜塩尻駅)174.8kmで合計396.9kmと遠回りをした山岳路線の割に、距離は30kmほどしか違わない点にも注目を。

奈良井宿横を走る中央西線・特急「しなの」
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