人口2668人の市が北海道に! 人口の少ない市TOP20

総務省が2024年7月24日(水)に発表した住民基本台帳によれば、日本一人口が少ないのは、北海道歌志内市の2668人。全1741市町村中で1598位というランキングで、もっと人口が多い町や村も数あります。5位までが北海道ですが、いずれの市もかつては繁栄した「炭鉱の町」で、廃鉱後、過疎化に悩んでいます。

本来は人口5万人以上が市ですが、2万人以下の市も多数

神威岳展望台
歌志内市の神威岳展望台は雲海の名所

TOPの歌志内市(うたしないし)はHPで「かつては石炭の産地としてにぎわっていました。今は日本で一番人口が少ない『日本一小さな市』です」と日本一小さな市をPRしています。
炭鉱がピークだった昭和23年には人口4万6000人を抱え、昭和40年代の石炭産業の衰退とともに市内の炭鉱が閉山となり、平成7年には空知炭鉱が閉山となり、採炭の歴史に幕を降ろし、今では有形・無形の「炭鉱の記憶」として残るのみとなっています。

現在、村や町が市になるための要件は、地方自治法第8条第1項で、原則として人口が5万人以上と定められているので、その19分の1の人口ということに(ただし、市町村の合併の特例に関する法律の規定で、人口が3万人以上であれば市として認められることも)。

民間有識者による「人口戦略会議」が2024年4月24日(水)に発表した報告書でも、歌志内市は北海道の「消滅可能性自治体」(出産の中心世代となる20~39歳の女性が2020年〜2050年にかけて50%以上減る自治体)のTOPになっています(このまま人口減少が継続すると消滅してしまうという自治体)。

旧産炭地では同様に人口減が深刻で、2位の夕張市、3位の三笠市、4位の赤平市、5位の芦別市と日本の成長を支えた炭鉱の町がズラリと並んでいます。
かつて石炭を積み出した鉄道も廃止となり、夕張市ではそれに代わって活躍していた札幌と夕張を結ぶ「高速ゆうばり号」も2024年9月30日(月)で廃止となるなど、明るい話題が乏しくなっています。

かつての炭鉱の町以外では、漁業が主産業だった市の人口減少が目立っています。
食用魚介類の国内生産量は、昭和60年から減少を続け、食用魚介類の1人当たり年間消費量も、平成13年以降減少傾向にあり、漁業者の高齢化もあって、「漁業都市」の人口減が進んでいます。
6位の室戸市も昭和30年には人口3万2878人で合併特例で市としての条件を満たしていましたが、現在ではその半分以下の人口に減っています。
少子高齢化や人口減少は全国的に見て最先端ともいわれる室戸市では「基幹産業のひとつである漁業の低迷や若年層の都市圏への流出、少子高齢化」を要因としていますが、全国の漁業都市に共通する問題点となっています。

三菱大夕張鉄道保存車両
三菱大夕張鉄道保存車両(夕張市)

人口の少ない市TOP20

順位市名県名人口全国ランキング
(全
1741市町村中)
前年比
増減
1位歌志内市北海道2668人1598位-122人
2位夕張市北海道6411人1360位-318人
3位三笠市北海道7465人1300位-257人
4位赤平市北海道8471人1250位-267人
5位芦別市北海道1万1571人1144位-405人
6位室戸市高知県1万1671人1142位-344人
7位土佐清水市高知県1万1950人1134位-321人
8位珠洲市石川県1万2574人1121位-374人
9位垂水市鹿児島県1万3258人1097位-366人
10位尾花沢市山形県1万3996人1074位-437人
11位西之表市鹿児島県1万4296人1064位-121人
12位熊野市三重県1万5299人1028位-439人
13位津久見市大分県1万5386人1026位-482人
14位砂川市北海道1万5520人1019位-389人
15位勝浦市千葉県1万5663人1014位-434人
16位尾鷲市三重県1万5877人1010位-442人
17位安芸市高知県1万5900人1009位-335人
18位宮津市京都府1万6325人999位-396人
19位串間市宮崎県1万6517人995位-473人
20位鳥羽市三重県1万6842人987位-373人
人口2668人の市が北海道に! 人口の少ない市TOP20
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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