珍しい三線軌条(3本レール)は、日本に3ヶ所!

三線軌条

新幹線、小田急電鉄、京浜急行などの1435mm(標準軌)と在来線、小田急箱根などの1067mm(狭軌)とが相互乗り入れする区間に敷設されているのが三線軌条(3本レール)。旅客列車で体験できるのは日本国内に3ヶ所! 線路を眺めてみるとたしかにレールが1本多いことに気が付きます。

北海道新幹線・海峡線|JR北海道

三線軌条
北海道新幹線の走る部分が三線軌条

区間:新中小国信号場(青森県東津軽郡外ヶ浜町/東京駅起点702.713km、新青森駅起点28.890km)〜木古内駅(北海道上磯郡木古内町)
軌間:北海道新幹線=1435mm(標準軌)、津軽線(在来線)=1067mm(狭軌)
三線軌条の理由:青函海峡トンネルなどは、北海道新幹線と海峡線の共用区間で、新中小国信号場は津軽線・海峡線・北海道新幹線の施設上の分界点、JR東日本とJR北海道の会社境界に
途中の奥津軽いまべつ駅は本線・ホーム側待避線は標準軌、駅外側の待避線は狭軌となっています
走行する列車:在来線は北海道と本州を結ぶJR貨物の貨物列車、「TRAIN SUITE 四季島」などの団体臨時列車、北海道新幹線 「はやぶさ」、 「はやて」
架線電圧が新幹線に合わせて2万5000Vのため、在来線は複電圧対応車両のEH800形電気機関車の牽引、TRAIN SUITE 四季島のみ走行ができます(在来線定期旅客列車の運行はありません)

秋田新幹線・奥羽本線|JR東日本

三線軌条
左側の線路が在来線と共用の三線軌条

区間:神宮寺駅〜峰吉川駅(ともに秋田県大仙市)
軌間:秋田新幹線=1435mm(標準軌)、奥羽本線(在来線)=1067mm(狭軌)
三線軌条の理由:ミニ新幹線として開業の秋田新幹線で、大曲駅〜秋田駅間は、1435mmと1067mmの単線並列ですが、神宮寺駅〜峰吉川駅は三線軌条で対応しています
走行する列車:秋田新幹線「こまち」、在来線の快速と普通列車(ともに交流2万V)

小田急箱根鉄道線|小田急箱根(箱根登山電車)

三線軌条
小田急ロマンスカー「はこね」の走る部分が三線軌条

区間:入生田駅〜箱根湯本駅
軌間:小田急電鉄=1435mm(標準軌)、小田急箱根=1067mm(狭軌)
三線軌条の理由:入生田駅〜箱根湯本駅は小田急箱根(旧・箱根登山鉄道)の線ですが、現在昇降するのは小田急のみ
ただし入生田駅近くに小田急箱根の入生田車庫があるため、三線軌条となっています
走行する列車:小田急の箱根湯本直通列車と、小田急箱根の入生田車庫入出庫の列車(架線電圧は1500Vで小田急箱根車両が複電圧車)

【番外編】京浜急行逗子線|総合車両製作所横浜事業所

三線軌条
左端の線路が総合車両製作所への三線軌条

区間:金沢八景駅〜神武寺駅
軌間:京浜急行電鉄=1435mm(標準軌)、専用鉄道部分=1067mm(狭軌)
三線軌条の理由:総合車両製作所横浜事業所(JR東日本の子会社)があり、京急をまたいでJR線(軌間1067mm)に入出庫する車両のために専用鉄道部分(横須賀線逗子駅までの専用鉄道が伸びています)が三線軌条に(総合車両製作所が、大東急時代の東急が設置した車両製作所が前身のため、京急沿線にあります)
三線軌同士が分岐する分岐器、三線軌の狭軌側が入れ替わる全国でも珍しい分岐器もあります
走行する列車:総合車両製作所横浜事業所に入出庫の車両と京浜急行電鉄(併用区間のみ)

珍しい三線軌条(3本レール)は、日本に3ヶ所!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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