砂丘と砂漠、何が違う!?

国土地理院によれば「砂丘は海岸の砂が強い風で運ばれ堆積してできた丘状、または堤防状の高まり」。砂漠は年間降雨量が250mm以下、または降雨量より蒸発量の方が多いために砂や礫、岩石の多い土地のこと。日本国内には砂丘はあるものの砂漠はありません。

四季がある日本には砂漠はそもそも存在しない

鳥取砂丘
「海だー、海にたどり着いたぞー」という映画のシーンのような鳥取砂丘

鳥取砂丘ビジターセンターによれば「砂丘は砂の表面が乾いていても掘るとすぐに湿った砂が出てきます」とのことで、それが砂浜と同様に、砂漠とは違う大きな点。

日本三大砂丘を例にとれば鳥取砂丘(鳥取県)は、千代川によって運ばれた日本海の砂が冬の季節風などによって吹き上げられて形成さらたもの。
中田島砂丘(静岡県浜松市)、浜岡砂丘(御前崎市)など、日本最大級の砂丘地帯である南遠大砂丘(遠州大砂丘)は、天竜川の砂が太平洋の荒波によって運ばれ、それが季節風によって吹き上げられて形成されています。
吹上浜(鹿児島県)はその名の通り、シラス台地を流れる河川が火山性のシラスを運び出し、東シナ海に流れ出たシラスが風によって吹き上げられたもの。

日本海、太平洋、東シナ海と海は異なっていても、吹き上がられた砂という点では同じです。

対して砂漠は、生物が活動できないような極限的な乾燥地で、オアシスを除けば植物も育ちません。
鳥取砂丘などは初夏にハマヒルガオ、秋にハマベノギクも砂丘を彩り、スナガニ(東アジアの砂浜海岸に生息する中型のカニ)も生息するので、不毛地帯とはいえません。

伊豆大島に裏砂漠、表砂漠という火山性の黒砂の「砂漠」がありますが、「年間降雨量が250mm以下、または降雨量より蒸発量の方が多いために砂や礫、岩石の多い土地」という砂漠の定義には当てはまらないので、あくまで「砂漠的な景観の地」ということになります。
日本国内でもっとも雨量が少ないのは、北海道オホーツク海岸沿いの北見市常呂(ところ)地区ですが、年平均雨量は700mmもあり、降水量よりも蒸発量が多い場所もないので、日本国内には砂漠はないということになります。

画像協力/鳥取県

鳥取砂丘
こちらも映画のワンシーンのような鳥取砂丘
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